採用リードタイムの見方|段ごとの日数に割って延びた段を指す
採用のリードタイムを見たい。ところが、「入口から入社まで平均〇日」の一つの数を出し、短くすることを目標にして選考の段を減らし、平均で見ているので一人の長期化に引っ張られ、延びた原因は特定せずに「早くしよう」で終わっている。結論から言うと、リードタイムは「入口から入社まで」の一つの数で見ず、段ごとの日数に割って、延びた段を指します。全体の日数を短くすることを目標にすると、選考を飛ばして判断が粗くなるか、学生が確かめる時間を奪います。見るのは平均ではなく中央値と、最も待たせた人の日数で、平均は一人の長期化で動きます。リードタイムが延びる原因は「返信が遅い」「面接官の枠が無い」「判定に時間がかかる」の三つしかなく、どれかを特定して直します。短すぎるリードタイムも、学生が確かめられずに辞退を生みます。 ファネルのKPIは採用ファネルに置くKPIで書きました。この記事は、日数の見方に絞ります。
この作業の目的|日数を、「速さの成績」から「詰まりの指し方」に変える
リードタイムは、速さを競う数ではありません。採用の各段に、学生を待たせている場所があるかを指す数です。全体の日数を短くすることが目的になると、選考の段を減らし、学生が会社を確かめる時間を削ることになります。
目的は、全体の一つの数を、段ごとの日数に割り、延びた段を毎週指せるようにすることです。
リードタイムで、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| 全体の一つの数で見る | 延びた場所が分からず、「早くしよう」で終わる |
| 短くすることを目標にする | 選考の段を減らし、判断が粗くなる。学生が確かめる時間も削る |
| 平均で見る | 一人の長期化(連絡が取れない学生など)で平均が動く |
| 原因を特定しない | 「忙しいから」で終わり、翌月も同じ |
| 短すぎる問題を見ない | 学生が確かめられないまま内定を受け、後で辞退する |
| 段の定義が毎年違う | 前年と比べられない |
共通するのは、日数を「速いほど良い数」として見ていて、「待たせている場所を指す数」として見ていないことです。
段ごとに、割る
| 段 | 測る日数 | 延びたときの原因 |
|---|---|---|
| 入口→最初の返信 | オファーの承認・エントリーから、こちらが返すまで | 返信の担当と体制 |
| 最初の返信→面談 | 返信から面談の日まで | 面談の枠の数、日程の候補の出し方 |
| 面談→一次選考 | 面談から一次の日まで | 判定の速さと、一次の枠 |
| 面接→結果 | 面接の日から結果を出すまで | 判定の会議の頻度、面接官の記録の速さ |
| 結果→学生に伝える | 結果が出てから連絡するまで | 人事の連絡の体制 |
| 最終→内定 | 最終面接から内定の連絡まで | 経営の判断の速さ |
| 内定→承諾 | 内定から承諾の返事まで | 内定後に渡すもの。内定のKPI |
段ごとに割ると、延びた段が一つか二つに絞られます。全体の日数は、段の合計として出ますが、追う数ではありません。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「採用のリードタイムは短いほど良くて、他社より早く内定を出せば勝てる」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、選考の日数と辞退の関係を見ていますが、短すぎるリードタイムは、辞退を増やします。面談から一週間で内定が出た学生は、会社を確かめる時間がありません。仕事の中身も、一緒に働く人も、条件も分からないまま内定を受け、その後に他社と比べて辞退します。逆に、待たせすぎる会社も辞退されます。当社が最初にお願いするのは、リードタイムの目標を「短く」ではなく、段ごとに「待たせていない」と「確かめる時間がある」の両方が成り立つ形に置くことです。返信は速く、面談の日程は速く出す。その一方で、面談から内定までには、現場の社員に会う場と、条件の書面を渡す時間を入れる。速くするのは「会社の側の作業」で、確かめる時間は削らない。この分け方が、日数の設計です。
中央値と、最長で見る
- 平均ではなく、中央値:平均は、連絡が取れない一人で動く
- 最も待たせた人の日数も、並べる:中央値が短くても、一人を長く待たせているなら、そこに問題がある
- 最長の人の事情を、記録する:学生の側の事情(試験・留学)か、会社の側か
- 会社の側の事情で最長が出ているなら、それが直す場所:面接官の枠、判定の会議
- 段ごとに、中央値と最長を持つ:全体ではなく、段ごとに
中央値と最長の二つで、「普通の待たせ方」と「最悪の待たせ方」が分かります。
延びる原因は、三つ
| 原因 | 見分け方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 返信が遅い | 「入口→最初の返信」「結果→学生に伝える」が長い | 返信の担当を増やす、当日に返す決めを作る |
| 面接官の枠が無い | 「返信→面談」「結果→次の面接」が長い | 枠を先に固定する、代わりの面接官を決める |
| 判定に時間がかかる | 「面接→結果」が長い | 判定の会議の頻度を上げる、その場で決める範囲を広げる |
三つのどれかを特定して直します。特定せずに「早くしよう」と言うと、最も動かしやすい「返信」だけが速くなり、枠と判定は変わりません。
学生が確かめる時間と、両立させる
- 会社の側の作業は、速くする:返信、日程の候補、結果の連絡、書面の準備
- 学生が確かめる時間は、削らない:現場の社員に会う場、条件の書面を読む時間、家族と相談する時間
- 面談から内定までに、確かめる場を一つ入れる:速くするために飛ばさない。選考中から辞退を減らす設計
- 内定から承諾までの期限は、短くしない:他社の結果が出る時期の先に。内定承諾の期限の考え方
- 短いリードタイムで内定を受けた学生の辞退を、記録する:短さが原因の辞退が見える
速くするのは会社の作業、時間を確保するのは学生の確認。分けて設計します。
週と月の、見方
| 頻度 | 見るもの | 直すこと |
|---|---|---|
| 週に一度 | 段ごとの日数(中央値)、最長の人 | 延びた段を、その週に直す。三つの原因のどれかを特定 |
| 月に一度 | 段ごとの中央値の前年比、最長の事情 | 枠と判定の仕組みを、一箇所直す |
| 年に一度 | 全体の日数(段の合計)の前年比、短さが原因の辞退の数 | 翌年の段の設計(段を増やすか減らすか) |
週に一度は日数だけを見る場で、五分で済みます。数は月に一度でよく、日数は週に一度です。
媒体ごとに、変わる点
- OfferBox:承認から返信までの日数が最も効く。承認は学生が能動的に出した合図なので、遅れると冷める。OfferBox運用のKPI設計
- Wantedly:「話を聞きたい」から面談までの日数。カジュアルな入口なので、遅いと熱が冷めやすい
- ワンキャリア:選考の日数が体験談に書かれる。「連絡が遅かった」は次の年の学生に読まれる。ワンキャリア経由の内定辞退が続くとき
三つとも、段ごとに割る型は同じで、最初の返信の重さが違います。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 段の定義を決め、毎年変えない | 採用の責任者 |
| 段ごとの日数を記録する | 人事。台帳に各段の日付を |
| 週に一度、延びた段を見て原因を特定する | 人事 |
| 返信の体制を直す | 人事 |
| 面接官の枠と代わりを決める | 配属先の責任者 |
| 判定の会議の頻度を決める | 採用の責任者 |
| 短さが原因の辞退を記録する | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、記録の型、集計、原因の切り分けの型までで、枠の決定、判定の頻度、体制の変更は社内が担います。
エージェントベストの見解
リードタイムで、当社が先にお伝えしているのは、「三つの原因のうち、人事が直せるのは『返信が遅い』だけ」ということです。面接官の枠と、判定の会議の頻度は、配属先の責任者と採用の責任者が動かさないと変わりません。申し込んだあとに日数が改善しない会社に共通するのは、「リードタイムを短くしよう」を人事の目標にしていて、人事が直せる返信だけが速くなり、枠と判定は前年と同じままであることです。当社が案内するのは、週に一度の場で延びた段を特定したとき、原因が「枠」か「判定」なら、その週に配属先の責任者か採用の責任者に渡すことです。人事が抱えると、三つのうち一つしか直りません。日数の改善は、人事の努力ではなく、枠と判定の仕組みの変更で決まります。誰が直す原因なのかを、段ごとに先に決めておくことが、日数が動く条件です。
まとめ
- リードタイムは全体の一つの数で見ず、段ごとに割って延びた段を指す。全体を短くすることを目標にしない
- 平均ではなく中央値と、最も待たせた人の日数で見る。最長が会社の側の事情なら、そこが直す場所
- 延びる原因は「返信が遅い」「面接官の枠が無い」「判定に時間がかかる」の三つ。特定して直す
- 会社の側の作業は速くし、学生が確かめる時間(現場に会う場・条件を読む時間・承諾の期限)は削らない
- 三つの原因のうち人事が直せるのは返信だけ。枠と判定は、その週に責任者に渡す
よくある質問
他社より早く内定を出したほうが、承諾されやすいのではないですか
早く出すこと自体は不利ではありませんが、確かめる時間が無いまま出した内定は、後で辞退されます。速くするのは会社の側の作業(返信・日程・連絡)で、学生が確かめる場(現場の社員に会う、条件の書面を読む)は残します。早く出して承諾を取り、入社前に辞退されるより、確かめてもらって承諾されるほうが、入社する人が増えます。
段ごとの日付を記録する作業が重いです
台帳に「各段に進んだ日」の欄を持つだけで、集計は計算で出ます。面接の当日に日付を入れる手間だけで、別の集計表は要りません。台帳の欄を最初に作っておくと、週に一度の集計が自動になります。手で集める形にすると、三か月で止まります。
採用リードタイムの見方は、御社に相談できますか
できます。当社は、記録の型、集計、原因の切り分けの型を支えられます。枠の決定、判定の頻度、体制の変更は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、各段の日数を見る形を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
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