Wantedlyで転職を考えていない人にスカウトを送る方法|文面の作り方
Wantedlyの登録者の多くは、いま転職活動をしているわけではありません。興味のある会社を見ている、仕事の話を聞いてみたい、いつか考えるかもしれない、という人が多く含まれます。この人たちに「転職をお考えでしたら」「ご応募ください」と送ると、「まだ考えていないので」で終わります。結論から言うと、転職を考えていない人へのスカウトは、「転職」「応募」「選考」の言葉を使わず、「仕事の話を聞くだけの場」に誘い、断りやすい一文を添え、返信が「いまは考えていない」でも関係を切らず、時間を置いて再度連絡できる形にします。面談では決めさせず、情報を渡し、次の連絡は相手からでよいと伝えます。成果は短期で測りません。 この記事では、潜在層の意味、転職前提の文面が身構えさせる理由、文面の作り方、返信ごとの対応、面談の持ち方、台帳で関係を持ち続ける方法、成果の測り方、分担を整理します。中途向けの基本は中途にスカウトを送るときの考え方で書きました。
この作業の目的|「いつか考えるとき」に、最初に思い出される会社になる
転職を考えていない人は、いますぐには動きません。動くのは、数か月後か、一年後か、もっと先です。
目的は、その人が「いつか考えるとき」に、最初に思い出される会社になることです。そのために、いま「転職しませんか」ではなく、「仕事の話をしませんか」と連絡し、会って、情報を渡し、関係を持ち続けます。
これは、すぐに面談枠を埋める運用とは別のものです。同じスカウトでも、目的と測り方が違います。
転職を前提にした文面が、身構えさせる理由
| 転職前提の言葉 | 考えていない人からどう見えるか |
|---|---|
| 「転職をお考えでしたら」 | 考えていない。自分向けではない |
| 「ご応募ください」 | 応募する気は無い |
| 「選考のご案内」 | 選考を受ける段階ではない |
| 「キャリアアップの機会」 | いまの仕事に不満は無い |
| 「〇〇のポジションを募集しています」 | 求人の案内。読み飛ばす |
| 「ぜひ一度面接を」 | 面接は受けない |
共通するのは、「相手が転職したい前提」で書かれていることです。考えていない人にとって、この前提そのものが「自分の話ではない」になります。
文面の作り方
| 段 | 書き方 |
|---|---|
| 1. 相手の一文 | 「〇〇をされていると書かれていたのを読んで」「△△に興味があると書かれていたので」。中途向けと同じ。本人の言葉で |
| 2. 重なる点 | 「うちで□□をやっている人と、〇〇の話をしてもらえたら面白いと思い」。募集の仕事とつなげるが、「この募集に来てほしい」ではなく「話が合いそう」の形で |
| 3. 話す場の案内 | 「転職を考えていなくても構いません。仕事の話を聞くだけの場として、同じ職種の△△が話します。無理なら、返信は不要です」 |
3段目の「転職を考えていなくても」「無理なら返信は不要」が、潜在層向けの要点です。断りやすい一文があると、考えていない人でも「話を聞くだけなら」と返信できます。
「募集の仕事」には触れますが、「募集に来てほしい」とは書きません。募集記事への誘導は、「参考までに、こういう仕事です」の形で軽く添えます。文面の基本の構成はスカウト文面の書き方で書きました。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「転職を考えていない人に送っても、無駄だ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとしてWantedlyのスカウトの運用を見ていますが、Wantedlyの登録者で「いま転職活動中」と明示している人は多くなく、転職活動中の人だけに絞ると、送る相手がほとんどいなくなります。Wantedlyで返信が来て、面談に来て、時間をかけて選考に進む人の多くは、最初の連絡の時点では転職を考えていなかった人です。当社が潜在層向けの運用を勧めるとき、最初に伝えるのは、「返信から決定までの期間を、通常のスカウトとは別に見る」ことです。同じ月の数字で見ると「効果が無い」に見えますが、半年後に振り返ると、その月に会った人が選考に進んでいます。潜在層へのスカウトは、無駄ではなく、時間の単位が違います。
返信の内容ごとの対応
| 返信 | 対応 |
|---|---|
| 「話を聞くだけなら」 | 面談へ。決めさせない形で。次の節 |
| 「いまは考えていないが、興味はある」 | お礼と、「考えていなくて構いません。いつでも話せます」と一言。面談を押さない。台帳に「時間を置いて再連絡」 |
| 「いまは考えていない」だけ | お礼で終える。追わない。台帳に残す |
| 質問だけ | 短く答え、「詳しくは話す場で。無理なら文面で」と、両方の選択肢 |
| 無反応 | 追わない。時間を置いて、別の話題で一度だけ |
「いまは考えていない」に対して、「では、いつ頃なら」と聞かない、が要点です。聞くと、転職の前提に戻ります。「いつでも話せます」で終え、関係を残します。返信対応の基本は返信が来たあとの進め方で書きました。
面談の持ち方|決めさせない、情報を渡す、次は相手から
潜在層との面談は、カジュアル面談の型を守りつつ、さらに次のことを守ります。
- 決めさせない:面談の最後に「選考に進むか」を聞かない。「今日は話せてよかった。何かあれば、いつでも連絡してください」で終える
- 情報を渡す:会社の「なぜ」、仕事の場面、一緒に働く人。相手が「いつか」のときに思い出す材料を渡す。ストーリーを一本紹介する
- 次は相手から:「次に連絡するときは、こちらからでなく、あなたから連絡してもらえる形で」と伝える。押されない安心
- 相手の話を長く聞く:いまの仕事の面白さ、困っていること。「転職したい理由」ではなく「いまの仕事の話」
- 選考の話は、相手から出たときだけ:「もし興味が出たら、こういう流れです」と、聞かれたら答える
「次は相手から」を伝えても、会社側から時間を置いて一度連絡することはできます。「押さない」と「忘れない」の両立です。面談の型はカジュアル面談の設計で書きました。
台帳で、関係を持ち続ける
潜在層との関係は、台帳で持ち続けます。
| 残すこと | 使い方 |
|---|---|
| 最初の連絡の日と、返信の内容 | 「いまは考えていない」の人を、時間を置いて再連絡する |
| 面談で話したこと、相手の「いまの仕事」の話 | 再連絡のときに、続きから話せる |
| 相手が興味を持っていたこと | 関連するストーリーや募集が出たときに、それを添えて連絡 |
| 再連絡の目安 | 「半年後」「新しい募集が出たら」「本人が言っていた〇〇の時期」 |
| 再連絡の回数 | 多くしない。一度か二度 |
再連絡は、「転職を考えましたか」ではなく、「前に話していた〇〇に関するストーリーを書いたので」「〇〇の募集が新しく出たので、参考までに」の形にします。押さず、思い出してもらう連絡です。台帳の型はスカウト対象の絞り方で書いたものに、再連絡の欄を足します。
成果を、短期で測らない
潜在層向けのスカウトは、通常のKPIの表では「効果が無い」に見えます。
- 段を分けて数える:通常のスカウトと、潜在層向けを、台帳で分ける
- 潜在層向けは、「面談した人の数」と「関係が続いている人の数」で見る:返信率や選考の数で見ない
- 半年か一年で振り返る:その期間に会った人のうち、あとから選考に進んだ人がいるか
- 通常のスカウトの数字に混ぜない:混ぜると、通常のほうも「効果が無い」に見える
- 上司には、時間の単位が違うと先に伝える:短期で「効果が無い」と止められないように
KPIの考え方はスカウト運用のKPI設計で書きました。潜在層向けは、その表の外に、別の表を持ちます。
通常のスカウトとの配分
潜在層向けと通常のスカウトは、同じ人が同じ時間でやると、通常のほうが優先されます。
- 募集が急ぎなら、通常のスカウトに寄せる:潜在層向けは、急ぎの募集には向かない
- 急ぎの募集が無い時期に、潜在層向けを増やす:関係を作る時期
- 週の読む枠の一部を、潜在層向けに固定する:ゼロにしない
- 潜在層向けの面談は、話す人の負担が小さい形で:短く、決めさせないので、話す人も構えない
配分の考え方はスカウト通数の配分の考え方で書きました。急ぎの募集が無い時期こそ、潜在層向けの時期です。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 潜在層向けの文面の型を作る | 人事 |
| 読んで、一文と重なる点を書く | その職種の人 |
| 返信対応(押さない型で) | 人事 |
| 面談(決めさせない形で) | その職種の人と人事 |
| 台帳に再連絡の目安を残す | 人事 |
| 時間を置いて再連絡する | 人事 |
| 別の表で成果を見る | 人事 |
| 上司に時間の単位を伝える | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、潜在層向けの文面の型、返信の型、面談の持ち方の型、台帳の再連絡の欄、別の表の設計までで、読んで書くこと、面談、再連絡の判断、上司への説明は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これをやる前に、先に決めておかないと途中で止められることがあります。「潜在層向けの成果を、通常のスカウトと別の表で、半年単位で見る」ことを、上司と合意しておくことです。当社がWantedlyの潜在層向けの運用を支えるとき、最初の数か月は返信も面談もあるのに選考が無く、上司から「効果が無い」と言われて止まる会社があります。止まると、会った人との関係も切れ、半年後に動くはずだった人も来ません。当社が最初にお願いするのは、「この運用は、面談した人の数と関係が続いている人の数で見て、選考は半年後に振り返る」と、始める前に上司に伝えてもらうことです。合意があれば、続けられます。続けば、時間が結果を連れてきます。
まとめ
- Wantedlyの登録者には転職を考えていない人が多い。転職・応募・選考の前提の文面は「自分の話ではない」になる
- 文面は、本人の言葉を読んだ一文、「話が合いそう」の形の重なる点、「転職を考えていなくても」「無理なら返信不要」の話す場の案内
- 「いまは考えていない」には「いつでも話せます」で終え、追わず、台帳に残す
- 面談では決めさせず、情報を渡し、「次は相手から」と伝える。再連絡はストーリーや新しい募集を添えて、押さず思い出してもらう形で
- 成果は通常のスカウトと別の表で、面談した人の数と関係が続いている人の数で見て、半年か一年で振り返る。上司と先に合意する
よくある質問
転職を考えていない人と面談しても、時間の無駄になりませんか
短期では、選考につながらないことが多くあります。ただし、Wantedlyで選考に進む人の多くは、最初の連絡の時点では考えていなかった人です。面談を短く、決めさせない形にすれば、話す人の負担は小さく、半年後に動く人との関係が残ります。急ぎの募集がある時期は通常のスカウトに寄せ、無い時期に潜在層向けを増やします。
再連絡は、どのくらいの間隔で、何回までですか
間隔は、本人が言っていた時期か、新しいストーリーや募集が出たときです。回数は、一度か二度までにします。何度も送ると、「押されている」になり、関係が切れます。「転職を考えましたか」ではなく、「参考までに」の形で送ります。
潜在層向けのスカウト運用は、御社に相談できますか
できます。当社は、潜在層向けの文面の型、返信の型、面談の持ち方の型、台帳の再連絡の欄、別の表の設計を支えられます。読んで書くこと、面談、再連絡の判断、上司への説明は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、Wantedlyのスカウト運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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