シード期のスタートアップがGreenで最初のエンジニアを採る
創業者が一人か二人。プロダクトの試作はあるが、まだ顧客は少ない。そんなシード期のスタートアップにとって、最初のエンジニアの採用は、会社の形を決める判断の一つです。Greenで求人を出すと決めたとき、多くの創業者が最初に悩むのは「何を書けばよいか分からない」ことです。書ける実績が少なく、チームもなく、制度も整っていない。結論から言うと、シード期の求人票は、整っていないことを隠すより、「何が決まっていて、何が決まっていないか」をはっきり分けて書くほうが、最初の一人にふさわしい候補者に届きます。 Greenは、IT・Web業界を中心に中途採用の求人を扱う、株式会社アトラエ運営の求人サイトです。料金や仕様には触れず、シード期の会社が決めることと分担を整理します。
シード期に割ける時間と人
シード期の採用は、ほぼ創業者が一人で担います。資金調達、顧客との打ち合わせ、プロダクトの検証と並行して、求人票を書き、候補者に返信し、面談をする。現実には、採用に使える時間は週のうち限られた枠になります。
この状況で起きやすいのは、次の流れです。
- 求人票を書いて公開し、数日は応募を見ているが、調達や顧客対応で手が離れる
- 「気になる」や応募への返信が遅れ、候補者の関心が薄れる
- 面談に来た候補者に、会社の状況を毎回ゼロから説明する
最初のエンジニアの採用は、候補者と深く話す時間が要る採用です。だからこそ、深く話す以外の作業に時間を取られない工夫が要ります。
最初に決めること
求人票を書く前に、創業者が決めておくことがあります。
- 最初の一人に任せる範囲:プロダクトの技術の選定と開発のすべてを任せるのか、創業者が書いたコードを引き継いで広げるのか
- 技術の責任者としての役割:将来の技術の責任者になってほしいのか、まずは手を動かす人がほしいのか
- 条件の幅:給与と、ストックオプションなど株式に関わる報酬の考え方。現時点でどこまで言えるか
- 働き方:出社かリモートか、創業者とどれくらい同じ場で働くか
- 決まっていないこと:事業の方向が変わる可能性、資金調達の見通し、次に採る人
5つ目は、求人票に書くのをためらいがちな項目です。しかし、シード期の会社に入ろうと考える人は、不確かさがあることを前提にしています。不確かさを隠すと、むしろ「何も分かっていない会社」に見えます。「事業の方向は顧客の反応次第で変わりうる。変わるときは一緒に決めたい」と書けば、その状況に面白さを感じる人に届きます。
エージェントベストの見解
シード期の創業者から最も多く聞く思い込みは、「最初のエンジニアは技術の責任者になれる人でなければならない」というものです。理想としては分かりますが、その条件で探すと、候補者の数がごく限られ、採用の期間が長引きます。その間にプロダクトの検証が止まってしまうことも少なくありません。当社が勧めるのは、「次の半年で作るもの」から逆算して最初の一人の条件を決めることです。半年で作るものが、既存の試作を顧客に使ってもらえる形にすることなら、必要なのは手を動かして形にできる人で、組織を率いる経験は必須ではないかもしれません。技術の責任者は、事業の方向がある程度定まってから採るほうが、その人の判断が活きる場面も増えます。肩書きの前に、半年の仕事を一文で書いてみることです。
求人票の組み立て
シード期の求人票は、次の構成にすると読み手が判断しやすくなります。
- 何を作っているか:誰のどんな課題を、どんなプロダクトで解こうとしているか
- 今どこまで来ているか:試作の状態、顧客の反応、資金の状況(言える範囲で)
- 最初の一人に任せること:最初の三か月で取り組む仕事
- 決まっていること・決まっていないこと:二つに分けて箇条書きに
- 創業者のこと:経歴、なぜこの事業をしているか、どんな働き方をしているか
Greenのように求人票を読んで応募を判断する媒体では、最後の「創業者のこと」が大きな比重を占めます。最初のエンジニアは、会社に入るというより、創業者と組む判断をするからです。
運用の分担
Greenでは、求人票を出すだけでなく、「気になる」を互いに送り合ったり、企業からスカウトを送ったりして接点を作れます。シード期の会社では、次のように分担を考えます。
- 創業者が持つこと:スカウトを送る相手を選ぶ最終判断、面談、条件の話、入社の判断
- 外に出せること:求人票の文章の整え、送る相手の候補の絞り込み、スカウトの配信、応募への一次返信、日程の調整
最初のエンジニアの採用で、創業者が文面をすべて自分で書くべきかは、迷うところです。当社の考えでは、スカウトの文面の骨格は創業者の言葉で作り、相手ごとの書き分けは外に出しても、創業者の熱量は伝わります。大切なのは、返信が来たあとの面談を創業者自身が行うことです。
エージェントベストの見解
シード期の会社がGreenの運用を外に出すかどうかは、「固定費をかけられるか」で判断が分かれます。月額の費用がかかる支援は、資金に余裕のない時期には選びにくいものです。当社のGreen運用代行は、求人票の作成、「気になる」やスカウトの配信、応募対応、面接日程の調整を受け持ち、当社の費用は採用した方の入社時に1名50万円(税別)の成功報酬です。当社への初期費用や月額固定費はかからないので、採れなければ当社への支払いは発生しません。ただし、Green自体の利用料金はこの成功報酬に含まれず、Greenとの契約にもとづいて別にかかります。そのうえで強調したいのは、合否の判断と面談は創業者に残るという点です。最初の一人を決めるのは、創業者が直接話して「この人と組みたい」と思えるかどうかで、そこを誰かに代わってもらうことはできません。作業を減らし、話す時間を増やす。外に出す目的をそこに置くと、判断を誤りにくくなります。
最初の面談で何を話すか
シード期の会社の面談は、選考というより、創業者と候補者が互いを知る場です。候補者は、事業の将来性と同じくらい、創業者がどんな人で、どんな判断をする人なのかを見ています。
最初の面談では、次のことを話せるように準備しておきます。
- なぜこの事業を始めたのか。どんな顧客の、どんな課題を見てきたのか
- いま一番の悩みは何か。それをエンジニアと一緒にどう解きたいか
- これまでにした大きな判断と、その理由
- 事業がうまくいかなかったときに、どう考えているか
とくに最後の問いは、候補者が口にしにくいものの、気にしていることです。創業者の側から先に触れると、候補者は誠実さを感じます。良い話だけでなく、不確かな部分も含めて率直に話すことが、最初の一人と信頼を築く近道です。
まとめ
- シード期の採用は創業者が担い、使える時間は限られる。深く話す以外の作業を減らす工夫が要る
- 求人票は「決まっていること」と「決まっていないこと」を分けて書く
- 最初の一人の条件は、肩書きでなく次の半年で作るものから逆算して決める
- 求人票では、創業者の経歴となぜこの事業をしているかが大きな判断材料になる
- 面談と判断は創業者が持ち、作業の部分は外に出せる
よくある質問
給与が相場より低い場合、求人票に書くべきですか
給与の幅は書いたほうがよいと考えます。書かないと、面談の終盤で条件が合わないことが分かり、双方の時間が無駄になります。株式に関わる報酬を考えている場合は、現時点で言える範囲を添えます。
業務委託や副業から始めてもらう形は、求人票に書いてよいですか
書いてよいと考えます。最初は副業で関わってもらい、互いに合うと分かってから正社員に、という形は、シード期では珍しくありません。ただし、その場合の働き方や契約の形を、面談で具体的に説明できるようにしておきます。
シード期に新卒や他の媒体を使う考え方も知りたいです
新卒を含めた考え方はシード期スタートアップの採用媒体の選び方にまとめています。技術者に送る文面の組み立てはエンジニア向けスカウト文面の型も参考になります。
本記事は 2026/10/16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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