シリーズA前後の会社のGreen活用|採用人数が増える時期の設計
資金調達を終え、事業計画に沿って人を増やす時期に入る。シリーズA前後のスタートアップでは、これまで年に数人だった採用が、短い期間に複数のポジションで同時に動き始めます。エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナー、営業、カスタマーサクセス。Greenに求人を出すポジションも一気に増えます。結論を先に言うと、この時期の採用は「求人を増やす」より先に「優先順位と選考基準を揃える」ことに時間を使ったほうが、結果として早く進みます。 Greenは株式会社アトラエが運営する中途採用の求人サイトで、IT・Web系の職種が中心です。料金や仕様の細部には触れず、人数が増える時期の設計を整理します。
この時期に割ける時間と人
シリーズA前後の会社で、採用を専任で担う人がいることは多くありません。創業メンバーの誰かが兼務し、場合によっては最初の人事担当者を採り始めたところです。その一方で、採用の量は急に増えます。
この時期に起きやすいのは、次のようなことです。
- ポジションごとに求人票を出したものの、どれが最優先かが社内で揃っていない
- 面接官が増え、同じ職種でも面接官によって評価の基準が違う
- 応募やスカウトの返信が増え、一次の連絡が遅れる
- 創業メンバーが面接に追われ、本来の仕事が止まる
人数が増える時期の採用は、作業の量が増えるだけでなく、判断する人が増えることで、ばらつきが生まれます。ここを放っておくと、採った人の間で期待される役割がずれたり、内定を出す基準が揺れたりします。
最初に決めること
求人を増やす前に、次の三つを決めます。
- ポジションの優先順位:事業計画の中で、どのポジションが埋まらないと次の段階に進めないか。上位から順に並べる
- ポジションごとの選考基準:何を見て合否を決めるか。必須の経験、見たい姿勢、懸念点の扱いを一枚にまとめる
- 面接の役割分担:一次は誰が、何を確かめるか。最終は誰が判断するか
優先順位があると、限られた時間をどのポジションに多く使うかが決まります。Greenでスカウトを送る量や、面談の枠の配分も、この順位に沿って決めます。
選考基準は、文章にしておくことが大切です。創業メンバーの頭の中にだけある基準は、面接官が増えた瞬間に伝わらなくなります。「技術力」「カルチャーフィット」といった言葉ではなく、「チームで決めたことを、自分の担当外でも進めた経験があるか」のように、面接で確かめられる形にします。
エージェントベストの見解
シリーズA前後の会社で、採用の量を増やした直後に運用が止まる例には共通点があります。求人票をポジションの数だけ公開し、すべてに同じだけスカウトを送ろうとして、どれも中途半端になることです。応募が来ても返信が追いつかず、面談の枠も足りない。結局、どのポジションも決まらないまま数か月が過ぎます。当社が勧めるのは、同時に「本気で動かす」ポジションを絞ることです。求人票は全部出しておいても構いませんが、スカウトを積極的に送り、面談の枠を優先して空けるのは、優先順位の上位のポジションに限る。上位が決まったら次に移る。順番に動かすほうが、並行して全部を動かすより、半年後に決まっている人数が多くなることがよくあります。
求人票の書き方の変化
この時期は、会社の状況が数か月で変わります。求人票も、それに合わせて書き方を変えます。
- 会社の段階を書く:調達を終えたこと、次の段階で何を目指しているか(言える範囲で)
- チームの今と半年後:今のチームの人数と、半年後にどうなっている見込みか
- このポジションの役割の変化:入社時は手を動かす仕事が中心でも、チームが増えたらどう変わるか
- 組織の仕組みの整備の度合い:評価や働き方の制度が、どこまで整っていて、どこが整備中か
候補者は、この時期の会社に「成長の機会」と「混乱の可能性」の両方を見ています。成長だけを書くと、入社後の混乱に戸惑う人が出ます。整備中のことを書いたうえで、「その整備に関わってほしい」と書けば、それを面白がれる人が集まります。
運用の分担
Greenでは、求人票に加え、互いに送れる「気になる」と企業からのスカウトを使って接点を作ります。複数のポジションを同時に動かす時期の分担は、次のように考えます。
- 創業メンバー・責任者:優先順位と選考基準の決定、最終面接、条件の判断
- 現場の社員:ポジションごとの一次面接、スカウトの送り先の確認(技術職の場合)
- 人事担当または外部:求人票の作成と更新、スカウトの配信、応募への返信、日程の調整、進捗の管理
この時期に人事の専任を採るかどうかは、多くの会社が迷う点です。専任を採るまでの間、作業の部分を外に出しておくと、創業メンバーが面接と判断に時間を使えます。
エージェントベストの見解
シリーズA前後の会社に、当社がGreen運用代行を提案するときに最初に確認するのは、「選考基準が文章になっているか」です。作業を外に出すと、スカウトを送る相手の絞り込みや、応募への一次対応を外部の人が行います。そのとき、何を基準に送り、どんな応募を優先して面接につなぐかが文章になっていないと、外部の判断が社内とずれます。逆に、基準が一枚にまとまっていれば、外に出しても質が落ちにくく、社内の面接官の間のばらつきも減ります。当社の代行は、求人票の作成、「気になる」やスカウトの配信、応募対応、面接日程の調整を受け、合否は企業の側に残します。当社の費用は成功報酬で、採用した方の入社時に1名50万円(税別)です。Greenの利用料金は含まれず、Greenとの契約にもとづいて別にかかります。外に出すかどうかにかかわらず、選考基準を文章にする作業は、この時期の会社に欠かせません。
入社後の受け止めを揃える
採用の人数が増える時期は、入社する人の数も一気に増えます。入社後の受け止めの仕組みが整っていないと、せっかく採った人が早く離れてしまうことがあります。採用の設計と同じ時期に、受け止めの仕組みも考えておきます。
- 入社初日から最初の一週間の流れを、職種ごとに決めておく
- 一人ひとりに、相談役となる先輩社員を決める
- 入社して一か月、三か月の時点で、本人と責任者が話す場を設ける
この時期の会社では、受け止めの担当が毎回違う人になり、入社する人によって経験がばらつきがちです。最低限の流れを文章にしておくだけでも、ばらつきは減ります。
求人票や面談で、こうした受け止めの仕組みを伝えておくと、候補者は「急成長の会社でも、入社後に放っておかれることはない」と安心できます。
まとめ
- シリーズA前後は、採用の量と判断する人が同時に増え、ばらつきが生まれやすい
- 求人を増やす前に、ポジションの優先順位、選考基準、面接の役割分担を決める
- 本気で動かすポジションを絞り、上位から順に決めていくほうが進みやすい
- 求人票には成長の機会と、整備中のことの両方を書く
- 専任の人事を採るまでの間、作業の部分を外に出す選択肢がある
よくある質問
面接官が増えたとき、評価のばらつきをどう抑えればよいですか
ポジションごとに、確かめる項目と、評価の段階の目安を一枚にまとめます。面接のあとは、点数だけでなく「何を見てそう判断したか」を短く書いてもらい、週に一度、責任者がそれを読み合わせると、基準が揃っていきます。
人事の専任は、いつ採るのがよいですか
会社によりますが、創業メンバーが採用の作業に追われて本来の仕事が止まり始めたら、検討の時期と考えます。専任を採るまでの間は、作業を外に出しながら、採用の仕組みを文章にしておくと、専任が入ったときの立ち上がりが早くなります。
シリーズAの会社の新卒やインターンの考え方も知りたいです
新卒やインターンも含めた考え方はシリーズAのスタートアップの採用媒体の選び方にまとめています。中途採用の指標の置き方は中途採用のKPIも参考になります。
本記事は 2026/10/16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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