シリーズAのスタートアップの採用媒体の選び方|インターンの入口として使う
シリーズAのスタートアップが媒体を選ぶとき、最初にぶつかるのは「資金が入って人を増やす段階になり、中途と一緒に『新卒も』と媒体で新卒採用の募集を出したのに、体験談も先輩の新卒もおらず、来た学生に『一年目に何をするのか』『誰が育てるのか』と聞かれて答えられず、内定を出しても辞退される」という問題です。結論から言うと、シリーズAで新卒を雇用として採るのは珍しく、媒体はインターンの入口です。文面や記事の締めをインターンの案内にし、合った人を新卒に採ります。インターンから新卒にならないときは、理由を「関わりの設計・雇用の条件・育てる人」のどれかに切り分けてから直します。 シード期の考え方はシード期スタートアップの採用媒体の選び方で書きました。この記事はシリーズAに絞って、インターンを入口にする媒体の使い方を書きます。
シリーズAのスタートアップに、起きること
| 会社の状態 | 採用で起きること | 媒体との相性 |
|---|---|---|
| 資金が入り、中途を増やす段階 | 「新卒も」と同時に始めるが、育てる人がいない | 新卒は雇用より先にインターン。シリーズAのスタートアップのOfferBox運用 |
| 社長と初期メンバーが十数人から数十人 | 社長の時間は減り、初期メンバーが育てる側に回り始める | 育てる人を、社長以外に一人決められるか |
| 事業は決まったが、組織は決まっていない | 「一年目に何をするか」が言えるようになりかけている | 言えるなら新卒の募集を、言えないならインターン |
| 体験談も先輩の新卒も無い | 比べられる場に対象として入れない | 比べられる場は先ではない |
| 中途の癖で「即戦力」を書く | 新卒にもインターンにも「即戦力」の言葉が混ざり、来ない | 新卒と中途で書き方を分ける。新卒と中途で媒体はどう違うか |
| インターンが新卒にならない | 理由が分からず「学生が来ない」と媒体を変える | 切り分けてから直す |
判断軸を、シリーズAに当てる
| 軸 | シリーズAでの見方 |
|---|---|
| 対象(誰に届くか) | 「決まっていない組織の中で、社長か初期メンバーと動ける学生」に絞る。インターンから新卒になる学生と、インターンで終わる学生を、最初から分けない |
| 型(送るか、来るか、比べられるか) | 送る型は、インターンの提案を一人に向けて書け、締めをインターンの案内にできる。来る型は、社長か初期メンバーが「なぜ今、何を、どんな関わりで」を書ければ届く。比べられる型は、体験談が無いシリーズAでは対象に入れず、インターンの掲載も知られていない会社では読まれにくい |
| 課金(費用の性格) | 各媒体の公式ページで現在の条件を確認。この記事では書かない。中途の採用費と分けて、新卒とインターンの分を小さく |
| 運用工数(誰の時間が要るか) | 社長の時間は減っている。初期メンバーの一人を、返す・会う・育てるの担当に。中途の採用と担当を分ける |
軸の詳しい見方は掲載型とスカウト型の違い、共感型と条件型の媒体の違いで書きました。シリーズAでは、「対象」でインターンと新卒を最初から分けないことと、「運用工数」で社長以外に担当を一人決めることが、シード期との違いです。
エージェントベストの見解
インターンから新卒にならない会社から相談を受けたとき、当社が最初に切り分けるのは、「理由が、関わりの設計か、雇用の条件か、育てる人か」です。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、シリーズAの相談を受けますが、三つは直し方が違います。関わりの設計が理由なら、インターンの中身が「雑用」か「新卒でやることと同じ」かで、新卒でやることと同じにし、終わり方と、新卒に声をかける条件を先に言います。雇用の条件が理由なら、給与と勤務地と一年目の姿を、インターンの途中で本人に伝え、他社と比べられても残る形にします。育てる人が理由なら、社長以外に育てる担当を一人決め、インターンの間からその人が横につきます。「学生が来ない」「インターンが残らない」と一括りにして媒体を変える会社が多いのですが、媒体はインターンの入口で、入口を変えても三つのどれかが直らなければ、次の入口でも同じことが起きます。インターンで終わった学生に「なぜ新卒として来なかったか」を聞くと、理由は一つに絞れることが多く、直すのも一か所で足ります。
学生が、確かめること
- 社長か初期メンバーと話せるか:シリーズAに関わる学生は、社長か初期メンバーと直接動くことを望んでいる。人事だけの窓口は読まれない
- 決まっていないことの扱い:組織が決まっていないことを隠すか、正直に書くか
- インターンの条件:週に何日、何を、いくらで、いつまで。「新卒でやることと同じか、雑用か」
- 新卒につながる条件:インターンの後に、何が揃えば新卒として声がかかるか
- 一年目の姿と、育てる人:新卒として入ったら、一年目に何をして、誰が横につくか。「まだ言えない」なら、そう書く
- 会社が続くか:資金が入ったことと、次の見込み。言える範囲で
この条件なら、どれを先に検討するか
| 会社の条件 | 先に検討する型 | 理由 |
|---|---|---|
| 社長か初期メンバーが「なぜ今、何を、どんな関わりで」を自分の言葉で書ける | 通年で記事を置く型(Wantedly) | インターンの募集を置いて話を聞きに来る形。スタートアップが最も多く並ぶ場で、インターンの入口として読まれやすい。スタートアップのWantedlyの設計 |
| 「決まっていない中で動ける」記述で絞り、インターンの提案を一人ずつ送りたい | 企業から送る型(OfferBox) | 締めをインターンの案内にでき、送る数を担当の時間で決められる。OfferBoxからインターンへの接続 |
| 体験談が無く、知られていない | 学生が並べて比べる場(ワンキャリア)は先ではない | 対象に入れない。シリーズB以降で体験談ができてから |
| 一年目の姿と育てる人が言える | インターンと並べて、新卒の募集も | 珍しいが、言えるなら出せる |
| 育てる人が社長しかいない | 新卒の募集は出さない | インターンだけ |
どれか一つが正解ではなく、書けるか、絞って提案したいか、育てる人がいるかで、先に検討するものが変わります。
組み合わせ
- 媒体は一つ、締めはインターンの案内に:新卒の募集とインターンの募集を別の媒体で出さない。インターンから採用につなげる考え方
- 中途の採用と、担当と媒体を分ける:中途の媒体に新卒を混ぜると「即戦力」の言葉が混ざる
- 送る型と記事を置く型を組み合わせるなら、次の段階で:シリーズAでは一つで足りる。複数の媒体を同時に使うときの考え方
- インターンから新卒への流れを、条件で書く:「〇か月のインターンの後、△△が揃えば雇用として声をかける」
- 段階が進んだら、位置づけを変える:シリーズB以降で新卒採用として。スタートアップ業界の採用媒体の選び方
- 代行と組み合わせるなら、絞る作業だけ:記事と文面は社長か初期メンバーの言葉で。媒体と代行の違い
見せ方|大きく見せず、「社長と」「決まっていない」を選ぶ人に
- 「急成長」「シリーズA調達」を前に出さない:学生は調達の言葉より、自分が何をするかを読む。調達は事実として一文
- インターンの条件を、先に:「週に〇日、△△を、□□の対価で、〇か月。新卒でやることと同じ内容」。数値は自社の実態で。この記事では書かない
- 決まっていないことを、隠さない:「組織はまだ決まっていない。決まっていない中で、〇〇を一緒に決める」
- 社長か初期メンバーが出ることを、書く:「関わる相手は〇〇(初期メンバー)。週に△回、社長とも」
- 新卒につながる条件を、書く:「インターンの後、△△が揃えば雇用として声をかける。揃わなければ、そう伝える」
- 一年目の姿と育てる人を、言えるなら:「新卒で入ったら、一年目は〇〇を、△△が横について」。言えないなら「まだ言えない」と
- 「即戦力」を消す:中途の募集と分ける
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| インターンの条件、新卒につながる条件、育てる人、一年目の姿を決める | 社長と初期メンバー |
| 媒体を選ぶ | 書けるか、絞って提案したいかで |
| 記事か文面を書く | 社長か初期メンバー本人 |
| 返す、会う | 初期メンバーの担当一人。週に何時間と決める |
| インターンの間に横につく | 育てる担当。社長ではない人を一人 |
| インターンで終わった学生に理由を聞く | 担当。切り分けの材料に |
運用代行や代理店が支えられるのは、インターンの条件の型、媒体の選び方、絞る作業、切り分けの整理までで、記事と文面、返す、会う、育てる、条件の決定は社内が担います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
シリーズAの会社で、媒体を契約した後に起きることを、当社は先にお伝えしています。資金が入った直後は、中途の採用が一気に増え、人事の担当は中途で手一杯になります。新卒とインターンの媒体を同時に契約すると、返す人が中途と兼務になり、学生への返信が中途の候補者より後回しになり、学生は「返信が遅い会社」と読んで離れます。媒体が悪いのではなく、中途の採用と担当を分けていないことが原因です。逆に、契約の前に「新卒とインターンの担当は初期メンバーの〇〇。中途とは別」と決めた会社は、返信が遅れず、インターンの間に横につく人も同じ担当になり、学生が「この人と動く」と分かって残ります。当社が最初にお願いするのは、媒体を選ぶ前に、中途と分けた担当を一人決めることです。担当が決まらないなら、インターンの募集も、もう少し先に延ばします。担当がいないインターンは、雑用になって終わります。
まとめ
- シリーズAで新卒を雇用として採るのは珍しい。媒体はインターンの入口で、文面や記事の締めをインターンの案内にし、合った人を新卒に
- 記事を置く型(Wantedly)は社長か初期メンバーが書ける会社に、送る型(OfferBox)は絞って一人ずつ提案したい会社に。比べられる場(ワンキャリア)は体験談が無い段階では先ではない
- 中途の採用と、担当と媒体を分ける。初期メンバーの一人を、返す・会う・育てるの担当に。「即戦力」を消す
- 学生は「社長か初期メンバーと話せるか・決まっていないことの扱い・インターンの条件・新卒につながる条件・一年目の姿と育てる人・会社が続くか」を確かめる
- インターンから新卒にならない理由は「関わりの設計・雇用の条件・育てる人」のどれかに切り分け、一か所を直す。媒体を変えない
よくある質問
資金が入ったので、新卒を一気に採りたいです
シリーズAで新卒を複数人、雇用として採る形は、育てる人が人数分いないと崩れます。中途を増やす時期に、新卒を育てる人は中途の受け入れで手一杯です。新卒はインターンから始め、一年目の姿と育てる人が言えるようになった段階(多くはシリーズB以降)で、雇用として採ります。今どうしても採るなら、育てる人を先に一人決め、その人が横につける人数(多くは一人か二人)に絞ります。
インターンの学生が、就活で他の会社に行ってしまいます
インターンで終わった学生に、理由を聞きます。「関わりの設計」(雑用だった)なら中身を新卒でやることと同じにし、「雇用の条件」(給与、勤務地、一年目の姿が他社と比べて弱い)なら条件を途中で伝えて比べられても残る形にし、「育てる人」(誰が横につくか分からなかった)なら担当を決めて、インターンの間からその人が横につきます。他の会社に行った学生も、会社を知っていて、後で戻ることがあります。終わり方を守ります。
シリーズAのスタートアップの媒体選びは、御社に相談できますか
できます。当社は、インターンの条件の型、媒体の選び方、絞る作業、切り分けの整理を支えられます。記事と文面、返す、会う、育てる、条件の決定は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、スタートアップの段階ごとの媒体の位置づけを支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/21 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
どの媒体にするか、決めきれない方へ
- 新卒・中途・インターンの取り扱い媒体を、貴社の採用計画に合わせて横並びで比較します
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