Wantedlyの新卒スカウトを中途向けから書き換える|読む箇所と避ける言葉
Wantedlyで学生にスカウトを送るとき、中途向けの文面をそのまま使うと、「〇〇のご経験を拝見し」「即戦力として」「転職をお考えでしたら」という、学生には当てはまらない言葉が並びます。結論から言うと、学生へのスカウトは、経歴ではなく「学生時代に何をしていたか、何に興味があるか」を読み、それがこの仕事の「最初の1年」とどう重なるかを書き、「仕事の話を聞く場」へ誘います。選考・面接・内定という言葉を文面に入れず、時期の扱いは年度の公表内容と自社の方針を確認して決めます。 この記事では、中途向け流用の失敗、学生のプロフィールで読む箇所、文面の3段の変え方、避ける言葉、他の新卒媒体との使い分け、時期、返信後の進め方の違い、分担を整理します。スカウト文面の基本はスカウト文面の書き方、新卒向けの募集記事は新卒向け募集記事の書き方で書きました。誰に送るか(職種を決めている学生の選び方)はWantedlyの新卒スカウトは誰に送るかで書きました。
この作業の目的|「自分に向けて書かれている」と学生に分かる文面にする
学生は、職種で働いた経験がありません。「経験を読んだ」と書かれても、自分のことではないと分かります。
目的は、「学生時代の自分を読んで、この会社の人が連絡してきた」と分かる文面にすることです。読んだ箇所が学生時代の活動や興味であれば、学生は「自分に向けて書かれている」と受け取ります。
中途向けの流用で起きること
| 中途向けの言葉 | 学生からどう見えるか |
|---|---|
| 「〇〇のご経験を拝見し」 | 経験は無い。読んでいない |
| 「即戦力として」「これまでのスキルを」 | 自分向けではない |
| 「転職をお考えでしたら」 | 学生は転職しない |
| 「キャリアアップ」「年収」 | 就職前の言葉ではない |
| 「ご活躍を拝見し」 | 何を見たのか分からない |
| 「弊社の募集要項をご確認のうえ、ご応募ください」 | 応募の依頼。話す段階を飛ばしている |
共通するのは、「読んでいない」と分かることです。学生のプロフィールには経歴がほとんど無いので、経歴を読んだという言葉は、読んでいない証拠になります。
学生のプロフィールで、読む箇所
| 読む箇所 | 何が書かれているか | 文面での使い方 |
|---|---|---|
| 学生時代の活動 | サークル、アルバイト、研究、留学、インターン、自分で始めたこと | 「〇〇を続けてこられた点を読んで」 |
| 興味・やりたいこと | 「〇〇に興味がある」「△△をやってみたい」 | 「△△に興味があると書かれていたので」 |
| 自己紹介の言葉 | 本人の言い回し | そのまま引用する |
| 専攻・研究 | 何を学んでいるか | 仕事と重なるなら。重ならないなら無理に触れない |
| 最近の更新 | 就職活動の動き | いま動いている学生かの手がかり |
「学生時代の活動」が、最も文面に使いやすい箇所です。「サークルの企画を続けてきた」「アルバイトでお客さまと話すのが好きだった」は、経験ではなく「状態」で、これを読んだと書けば、学生は「読んでいる」と分かります。読む観点はOfferBoxのプロフィールの読み方で書いたのと同じです。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「学生のプロフィールは情報が少ないので、読んでも書くことが無い」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、OfferBoxとWantedlyの両方で学生へのスカウトを見ていますが、学生のプロフィールに書かれている「学生時代に何をしていたか」は、中途の経歴より文面に使いやすいことが多くあります。経歴は「〇〇社で△△を担当」という事実で、それが自社のどこで活きるかは書きにくい。学生の「サークルで企画を立て続けた」は状態で、「うちの最初の1年は、小さな企画を自分で回すところから始まる」とつなげやすい。当社が学生向けの文面を整えるとき、最初にやるのは、「経験」という言葉を全部消し、「学生時代に〇〇していた」という状態の言葉に置き換えることです。読む箇所が変われば、書ける一文が出てきます。
文面の3段を、学生向けに変える
| 段 | 中途向け | 学生向け |
|---|---|---|
| 1. 相手の一文 | 経歴のどこを読んだか | 学生時代の活動か興味のどこを読んだか。本人の言葉で |
| 2. 重なる点 | 経験が、募集の仕事のどこで活きるか | その活動や興味が、この仕事の「最初の1年」とどう重なるか。「最初の月は〇〇から始まるので、△△を続けてきたあなたに合うと思い」 |
| 3. 話す場の案内 | 「まず話を聞きに来て」 | 「仕事の中身を、入社してまもない社員が話します。選考ではなく、仕事を知る場です」 |
2段目で「最初の1年」を書くのが、学生向けの要点です。学生は職種名から仕事を想像できないので、「最初の月に何をするか」で重なる点を書きます。募集記事の「最初の1年」と同じ言葉で書き、募集記事へ誘導します。
3段目で「入社してまもない社員が話す」と書くと、学生は「自分に近い人と話せる」と分かり、返信しやすくなります。
避ける言葉
| 避ける言葉 | 理由 | 代わりに |
|---|---|---|
| 選考、面接、内定 | 学生が身構える。「話す場」ではなくなる | 「仕事を知る場」「話を聞く場」 |
| 応募、エントリー | 応募の依頼 | 「まず話を聞きに来て」 |
| 経験、スキル、即戦力 | 学生には無い | 「学生時代に〇〇していた」 |
| 転職、キャリア | 就職前の言葉ではない | 「これから仕事を選ぶうえで」 |
| 業界用語、社内の言葉 | 分からない | 仕事の中身を、学生の言葉で |
| 「優秀な学生」「ぜひ弊社に」 | 褒め言葉と依頼 | 相手の具体的な活動 |
「選考」の言葉を避けるのは、選考と無関係だからではなく、「話す場」であることを守るためです。選考との関係は、面談で聞かれたら正直に答えます。
他の新卒媒体との使い分け
学生へのスカウトは、Wantedlyの他にも、OfferBoxのような新卒向けの媒体があります。
- OfferBoxは、学生が就職活動のために登録している:オファーを受け取る前提で、プロフィールも就職活動向けに書かれている。文面の考え方はOfferBoxのオファー文面の基本
- Wantedlyは、就職活動に限らず、興味や仕事を探す場として登録している学生もいる:就職活動をまだ始めていない学生、インターンを探している学生が混ざる
- Wantedlyでは、「仕事を知る場」への誘いが向く:就職活動の段階が分からないので、選考より手前の場へ
- 両方を使うなら、役割を分ける:OfferBoxは就職活動中の学生へ、Wantedlyはそれより手前の学生へ。使い分けはOfferBoxとWantedlyの違い
Wantedlyの学生は、就職活動の段階がまちまちです。文面は、段階を決めつけず、「仕事を知る場」に誘う形が安全です。
時期の扱い
新卒の採用活動は、年度ごとに、広報や選考の時期について公表される内容があります。学生にスカウトを送る時期や、面談の位置づけ(広報か、選考か)は、その年度の公表内容と自社の方針を確認したうえで決めます。この記事では、時期の具体は書きません。
インターンの募集へ誘う場合も、インターンと選考の関係を年度の公表内容と自社の方針で確かめてから、文面に書きます。インターンの募集記事はインターン募集記事の書き方で書きました。
返信後の進め方の違い
学生の返信後は、中途と少し違います。
- 話す人は、入社してまもない社員:学生に近い人。文面で案内した人が出る
- 面談は、仕事の中身と「最初の1年」の話:会社の説明より、最初の月に何をするか
- 選考との関係を、聞かれたら正直に:面談の中で急に選考の話をしない。聞かれたら、年度の方針に沿って答える
- 日程は、授業やアルバイトに合わせる:平日の日中に限らない
- 面談後の連絡は短く、次の選択肢を:選考に進む、インターンを見る、もう一度話す、いったん終わる
聞くこと・聞かないことは、中途と同じです。カジュアル面談で聞くこと・聞かないことで書きました。学生には、志望動機や「なぜうちに」はさらに聞きません。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 学生向けの募集記事(最初の1年)を整える | 人事と、その職種の責任者 |
| 学生向けの文面の型を作る | 人事 |
| 学生のプロフィールを読み、一文と重なる点を書く | 入社してまもない社員か、人事 |
| 時期と選考との関係を確認する | 人事(年度の公表内容と自社の方針) |
| 返信対応 | 人事 |
| 面談で話す | 入社してまもない社員 |
運用代行や代理店が支えられるのは、学生向けの文面の型、読む箇所の整理、避ける言葉のチェック、他媒体との分担の整理までで、読んで書くこと、時期と選考の判断、面談は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは、向く会社と向かない会社がはっきり分かれます。Wantedlyで学生へのスカウトが機能するのは、「入社してまもない社員が面談に出られる会社」と「最初の1年に何をするかが決まっている会社」です。当社が3媒体の販売パートナーとして新卒採用の相談を受ける中で、学生へのスカウトを人事だけで回そうとする会社がありますが、学生は「自分に近い人の話」を聞きたくて返信します。人事だけが出る面談では、学生は「会社の説明を受けた」で終わります。当社が学生向けのスカウトを勧める前に確かめるのは、「入社してまもない社員が、週に面談の枠を取れるか」です。取れるなら、その人の名前で送り、その人が出る形にします。取れないなら、Wantedlyでのスカウトより、募集記事とストーリーを整えて待つ形か、就職活動中の学生に絞った媒体を先に検討します。
まとめ
- 学生へのスカウトは、経歴ではなく「学生時代に何をしていたか、何に興味があるか」を読む。中途向けの言葉(経験・即戦力・転職)は読んでいない証拠になる
- 文面の2段目は、その活動が「最初の1年」とどう重なるかを、募集記事と同じ言葉で。3段目は「入社してまもない社員が話す、仕事を知る場」
- 選考・面接・内定・応募・経験・転職・業界用語を避ける
- Wantedlyの学生は就職活動の段階がまちまち。段階を決めつけず「仕事を知る場」へ。OfferBoxとは役割を分ける
- 時期と選考との関係は年度の公表内容と自社の方針を確認。面談は入社してまもない社員が出て、最初の1年の話をする
よくある質問
学生のプロフィールが、ほとんど書かれていません
書かれている数少ない情報(専攻、興味の一言)から一つ選んで書きます。それも無ければ、送らないか、優先を下げます。無い情報を推測して書くと、外れたときに信用を失います。書いている学生に絞るほうが、時間に対する結果が良くなります。
学生に送るスカウトで、選考の話をしてもよいですか
文面では避け、「仕事を知る場」に誘います。面談で学生から聞かれたら、年度の公表内容と自社の方針に沿って正直に答えます。文面に選考の言葉が入ると、学生は身構え、返信しません。
新卒向けのスカウトは、御社に相談できますか
できます。当社は、学生向けの文面の型、読む箇所の整理、避ける言葉のチェック、他媒体との分担の整理を支えられます。読んで書くこと、時期と選考の判断、面談は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、新卒採用の媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
本記事は 2026/9/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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