IPO準備企業の採用媒体の選び方|「上場予定」に触れず整えた実態を見せる
IPO準備企業が媒体を選ぶとき、最初にぶつかるのは「『上場予定』を書けば学生が来ると思って媒体を契約したのに、法務から『書けない』と止められ、文面や企業ページの確認に日数がかかって返信が遅れ、面接で現場の面接官が『たぶん来年上場』と言ってしまい、上場の噂で来た学生が上場後の自分を確かめられずに辞退する」という問題です。結論から言うと、IPO準備企業は「上場予定」を掲載にも文面にも書けず、約束にもなりません。学生が確かめるのは「上場したあとに自分がどうなるか」で、準備で整えた実態(労務・評価・育成)を書きます。言える範囲を法務と先に決め、確認の手順を共通原稿の一度に絞り、面接官に「上場に触れない」を徹底してから、媒体を選びます。 シリーズB以降の考え方はシリーズB以降のスタートアップの採用媒体の選び方で書きました。この記事はIPO準備の時期に絞って、書けないことと書くことを分ける考え方を書きます。
IPO準備企業に、起きること
| 会社の状態 | 採用で起きること | 媒体との相性 |
|---|---|---|
| 上場に関わることを、外に言えない | 「上場予定」を掲載にも文面にも書けない。面接官が口にすると問題になる | 言える範囲を法務と先に決める。IPO準備企業のOfferBox運用 |
| 準備で、労務・評価・育成が整った | 学生に見せられる実態が、前より増えている | 上場に触れず、整えた実態を書く |
| 文面や企業ページの確認に、法務と管理部門が入る | 確認に日数がかかり、返信が遅れる | 確認の手順を共通原稿の一度に絞る |
| 上場の噂が学生に届き始める | 「上場企業に入りたい」層が来る。その層は上場後の自分を確かめられないと残らない | 噂で来た層と、実態で来た層を分けて見る |
| 知名度が上がり始める | 比べられる場に対象として入り始める。ただし体験談は追いつかない | 比べられる場は企業ページの実態で。体験談は少ない前提 |
| 中途の採用も増えている | 人事の時間が中途と準備の対応で埋まる | 新卒の担当を分ける |
判断軸を、IPO準備企業に当てる
| 軸 | IPO準備企業での見方 |
|---|---|
| 対象(誰に届くか) | 「上場企業に入りたい」で絞らない。「整った仕組みの中で、この職種を」に合う学生に。上場の噂ではなく、準備で整えた実態で来る学生を |
| 型(送るか、来るか、比べられるか) | 送る型は、整えた実態を職種ごとに書いて届けられ、確認を共通原稿の一度に絞れる。来る型は、「準備で何が変わったか」を記事で通年で読ませられる。比べられる型は、知名度が上がり始めた時期に対象に入るが、体験談が追いつかず、企業ページの実態が読まれる |
| 課金(費用の性格) | 各媒体の公式ページで現在の条件を確認。この記事では書かない。準備期は費用の承認にも手順がかかる。年間で一度に |
| 運用工数(誰の時間が要るか) | 人事の時間に、法務との確認の時間が加わる。確認を一度に絞らないと、返信の日数が伸びる。面接官への説明の時間も |
軸の詳しい見方は掲載型とスカウト型の違い、共感型と条件型の媒体の違いで書きました。IPO準備企業では、「対象」を上場の噂で絞らないことと、「運用工数」に法務との確認の時間を入れることが、他の段階と違います。
エージェントベストの見解
IPO準備企業で、媒体を契約した後に起きることを、当社は先にお伝えしています。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、準備期の相談を受けますが、契約の後に最も多く起きるのは、「文面と企業ページの確認に法務と管理部門が入り、一通ごとに確認を求められて、承認や応募への返信が数日から一週間遅れる」ことです。学生は返信が遅い会社から順に離れ、準備期の会社は「返信が遅い」と体験談に書かれて、上場後の入口が狭くなります。媒体が悪いのではなく、確認の手順が一通ごとになっていることが原因です。逆に、契約の前に「共通原稿を一度、法務に確認する。一人ごとの一文は、上場に触れない決まりのもとで人事の裁量」と決めた会社は、確認が年に数回で済み、返信が遅れません。当社が最初にお願いするのは、媒体を選ぶ前に、法務と「言える範囲」と「確認の単位」を決めることです。言える範囲は、上場に関わることは言わず、準備で整えた実態(労務、評価、育成)は言う、が多くの会社の形です。決まらないなら、媒体の契約を延ばします。
学生が、確かめること
- 上場したあとに、自分がどうなるか:上場するかどうかではなく、その後の毎日。裁量、評価、手続き、雰囲気の変化
- 準備で整えた実態:労務(残業の管理、休暇)、評価(何で、誰が、いつ)、育成(一年目に誰が横につくか)。学生の安心はここにある
- 上場に触れないことの一貫性:企業ページと文面と面接官で、言うことが揃っているか。面接官が「たぶん来年」と言うと、全部が崩れる
- 中途中心の会社での新卒の位置:準備期は中途も増えている。新卒を育てる人がいるか
- 会社が続くか:準備期は「上場すれば安心」と読まれがちだが、学生は上場後に何が変わるかを読む
- 返信の速さ:確認で遅れると、「遅い会社」と読まれる
この条件なら、どれを先に検討するか
| 会社の条件 | 先に検討する型 | 理由 |
|---|---|---|
| 職種ごとに整えた実態を書け、確認を共通原稿の一度に絞れる。知名度はまだ学生に無い | 企業から送る型(OfferBox) | 職種ごとに実態を書いて届け、一人ごとの一文は人事の裁量で。絞る作業を外に出せる |
| 「準備で何が変わったか」を経営者か管理部門が記事で書ける。エンジニアやデザイナーが中心 | 通年で記事を置く型(Wantedly) | 整えた実態を通年で読ませられる。記事の確認も一度で |
| 知名度が上がり始め、学生の候補に入り始めた。企業ページに整えた実態を書ける | 学生が並べて比べる場(ワンキャリア) | 対象に入り始めた時期。体験談が少ない前提で、企業ページの実態を。ワンキャリアの企業ページの基本 |
| 言える範囲と確認の単位が、法務と決まっていない | どれも先ではない | 決めてから。返信が遅れる |
| 面接官に「上場に触れない」が徹底できていない | どれも先ではない | 徹底してから。一言で崩れる |
どれか一つが正解ではなく、確認を一度に絞れるか、書けるか、知名度が学生に届き始めたかで、先に検討するものが変わります。
組み合わせ
- 共通原稿を一度確認し、全媒体で使い回す:媒体ごとに確認しない。確認の単位を先に
- 送る型と比べられる場を組み合わせる:送る型で職種ごとに、比べられる場で候補に入り始めた層に。OfferBoxとワンキャリアの併用
- 記事を置く型で「準備で何が変わったか」を通年で:OfferBoxとWantedlyの併用
- クチコミの扱いを、準備期から:知名度が上がると、クチコミも増える。ワンキャリアとOpenWorkの違い
- 上場後の位置づけを、準備期に見ておく:上場後は知名度で応募が増え、メガベンチャーに近い形に。メガベンチャーの採用媒体の選び方
- 代行と組み合わせるなら、共通原稿の下書きと絞る作業を:法務との確認と面接官への説明は出せない。媒体と代行の違い
見せ方|上場に触れず、準備で整えた実態を
- 「上場予定」「IPO準備中」を書かない:掲載にも文面にも。書けないし、約束にもならない
- 準備で整えた実態を、三つで:「労務は〇〇の形に。評価は△△で、□□が、年に〇回。一年目は◇◇が横につく」。数値は自社の実態で。この記事では書かない
- 「上場の前後で、毎日がどう変わるか」を、分かる範囲で:手続きが増えること、裁量の範囲、雰囲気。隠さず、上場に触れない形で
- 面接で「上場するのか」と聞かれたときの答えを、書いておく:「その点は会社としてお答えできない決まり。代わりに、準備で整えたことを話す」
- 中途中心の会社での新卒の位置を、育てる人で:「新卒は〇〇が横につく。中途とは別の型で育てる」
- 返信の日数を、書いて守る:「応募から〇日以内」。確認で遅れない形にしてから書く
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 言える範囲と確認の単位を決める | 法務と管理部門と人事の責任者。契約の前に |
| 共通原稿(企業ページ、文面の型、記事)を書く | 人事。法務が一度確認 |
| 一人ごとの一文 | 人事の裁量。上場に触れない決まりのもとで |
| 面接官への説明 | 人事の責任者。「上場に触れない」と、聞かれたときの答えを全員に |
| 返す、日程 | 新卒の担当。中途と分ける。日数を決めて守る |
| 噂で来た層と実態で来た層の記録 | 人事。面談で「上場するのか」と聞いた人と聞かなかった人を分けて |
運用代行や代理店が支えられるのは、共通原稿の下書き、確認の単位の整理、媒体の選び方、絞る作業、記録の型までで、言える範囲の決定、法務との確認、面接官への説明、面談は社内が担います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
IPO準備企業が数字を読むときに先にお伝えしているのは、「準備期は承認や応募が増えるが、増えた分の多くは上場の噂で来た層で、その層は残らない」ということです。噂が学生に届き始めると、「上場企業に入りたい」層が来て、承認率や応募数が前の年より上がります。ところが、その層は面談で「上場するのですか」と聞き、答えられないと確かめるものが無くなり、内定を出しても辞退します。数字だけを見ると「媒体の効果が上がった」と読めますが、残る数は増えていません。当社が案内するのは、面談で「上場するのか」と聞いた人と、聞かずに準備で整えた実態を聞いた人を、記録で分けることです。残るのは後者で、後者の数が前の年と比べて増えているかで、掲載を直した効果を見ます。前者が増えて後者が減っていれば、掲載が上場を匂わせていて、実態が薄いことを示しています。噂で来た層を減らすには、上場に触れないことを徹底し、整えた実態を厚くします。
まとめ
- IPO準備企業は「上場予定」を掲載にも文面にも書けず、約束にもならない。学生が確かめるのは「上場したあとに自分がどうなるか」
- 準備で整えた実態(労務・評価・育成)を書き、上場の前後で毎日がどう変わるかを、上場に触れない形で
- 媒体を選ぶ前に、法務と「言える範囲」と「確認の単位」を決め、共通原稿を一度確認して全媒体で使い回す。面接官に「上場に触れない」と聞かれたときの答えを徹底
- 送る型(OfferBox)は職種ごとに実態を、記事を置く型(Wantedly)は「準備で何が変わったか」を、比べられる場(ワンキャリア)は知名度が学生に届き始めてから企業ページの実態で
- 数字は、面談で「上場するのか」と聞いた人と聞かなかった人を分けて見る。残るのは後者で、後者の数で効果を見る
よくある質問
上場のことを一切書かないと、普通の会社と同じに見えませんか
普通の会社より、準備で整えた実態が多いはずです。労務の管理、評価の仕組み、育成の型は、準備で整えた会社のほうが具体に書けます。「上場予定」の一語より、「評価は△△で、□□が、年に〇回」の一文のほうが、学生の安心になります。上場に触れずに実態を厚く書いた会社は、上場後に「書いてあるとおりだった」と体験談に書かれ、上場後の入口が広がります。
現場の面接官が「たぶん来年上場」と言ってしまいました
面接官全員に、「上場に関わることは言わない。聞かれたら『会社としてお答えできない決まり』と答える」を、契約の前に文で渡します。言ってしまった後は、法務に事実を伝え、その学生への対応を法務と決めます。面接官が言ってしまう会社は、説明が口頭で済まされていることが多く、文で渡して、聞かれたときの答えまで書いておくと減ります。面接官の説明は、人事の責任者が担います。
IPO準備企業の媒体選びは、御社に相談できますか
できます。当社は、共通原稿の下書き、確認の単位の整理、媒体の選び方、絞る作業、記録の型を支えられます。言える範囲の決定、法務との確認、面接官への説明、面談は、社内で担ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、準備期の会社の媒体の位置づけと運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
どの媒体にするか、決めきれない方へ
- 新卒・中途・インターンの取り扱い媒体を、貴社の採用計画に合わせて横並びで比較します
- 媒体選定・お見積りは無料。申込前提でなくて構いません
- 料金は各媒体の正規料金のまま。代理店を通しても上乗せはありません
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