新卒採用の早期化にどう対応するか|時間の総量で判断する
他社が早く動いていると聞いて、自社も早く始めたい。ところが、他社に合わせて早く始め、早く始めた分だけ接点から入社までの期間が長くなることを見込まず、早期に作った接点を選考期に放置し、早期に選考を急ぎ、全入口を早期に開け、早期の数を選考期と同じ物差しで数える。早く始めた年ほど、途中で切れる接点が増えます。結論から言うと、早期化は「早く始める」で対応するものではなく、「早く始めた分だけ長くなる期間を、持てるか」で判断するものです。学生と早く会えば、会った日から入社までの期間が長くなり、その間の連絡と面談と内定後フォローの時間が増えます。増えた時間を持てないなら、早く始めた接点は途中で切れ、切れた接点は戻りません。会社がやることは、他社の時期に合わせることではなく、自社が持てる時間から「どこまで早くするか」を決め、同時に「早くしない部分」を決めることです。早くするのは入口の一つだけにして、残りは今までの時期のままにする、という決め方もできます。 この記事では、早期化で起きる失敗、時間の総量で判断する、どこまで早くするかの決め方、早くしない部分、接点を切らさない設計、数の読み方、一枚の型、分担を整理します。早期の母集団は早期の母集団形成、3年生の夏秋冬は夏・秋・冬、年間の基本は新卒採用の年間スケジュールの基本で書きました。時期の区切りは、年度の公表内容と自社の方針で確認してください。
この作業の目的|早くするかを、時間で決める
早期化の相談は、たいてい「他社がやっているから」で始まります。目的は、他社の時期ではなく、自社が持てる時間で決めることです。早く会った学生との接点を、入社まで切らさずに持てる時間があるかを先に見て、無いなら早くしない。この判断ができれば、早期化の話が、毎年の焦りではなく、設計の一部になります。
早期化で、起きる失敗
- 他社に合わせて、早く始める:自社の時間を見ずに時期だけ前に動かし、選考期に時間が足りなくなる
- 早く始めた分の期間を、見込まない:会ってから入社までが長くなり、その間の連絡と場の回数が増える。増えた分の時間が計画に無い
- 早期の接点を、選考期に放置する:早期に会った学生に、選考期の最初に連絡しない。並行の他社に置き換えられる。4年生の春に何をするか
- 早期に、選考を急ぐ:早く会った学生に早く内定を出し、入社までの長い期間に他社と比べられて崩れる。3年生の冬に何をするか
- 全入口を、早期に開ける:媒体もイベントも学校も。担当の時間が早期に消えて、選考期が薄くなる
- 早期の数を、選考期と同じ物差しで数える:早期の接点は「知ってもらった数」で、選考の数ではない。早期の母集団形成
早期化を、時間の総量で判断する
| 早くすると増えるもの | 中身 |
|---|---|
| 接点から入社までの期間 | 連絡の回数、面談の回数、内定後フォローの期間が増える |
| 卒年の重なる期間 | 上の卒年の選考期・内定フォローと、下の卒年の早期が重なる月が増える |
| 学生が他社と比べる期間 | 早く内定を出すほど、比べられる期間が長くなる |
| 担当の時間 | 上の三つの分だけ、一年の総量が増える |
- 早くすることは、期間を前に伸ばすことで、期間を短くすることではない:総量は増える
- 増えた総量を持てるかを、先に見る:持てないなら、早くしない部分を決める
- 持てる時間は、人事の時間だけでなく、現場と面接官の時間:新卒採用計画の立て方
- 早くした年の翌年に、元に戻すのは難しい:一度早くした接点を翌年に遅らせると、前年に会った学生の後輩に「今年は遅い」と伝わる。始める前に、続けられるかを見る
エージェントベストの見解
これは発注側の誤解の話です。早期化の相談で、「他社が早いので、うちも早く始めれば追いつく」と言われることがあります。早く始めると、接点から入社までの期間が長くなり、その間の連絡と面談と内定後フォローの時間が増えます。増えた時間を持てないと、早く会った学生への連絡が選考期に途切れ、途切れた接点は戻りません。早く始めた年ほど、切れる接点が増える会社を、当社は見てきました。当社がお願いしているのは、「早く始めるか」ではなく「早く始めた分だけ長くなる期間を持てるか」で判断することです。持てないなら、早くしない。早くするなら、選考期の入口を減らすか、面接の回数を減らすか、内定フォローを型にして、増えた分の時間を作ってから始める。早期化への対応は、時期を前に動かす作業ではなく、一年の時間の総量を作り直す作業です。他社の時期は、自社の時間の代わりになりません。
どこまで早くするかの、決め方
- いまの一年の担当の時間を、期間ごとに出す:前年の振り返りの「時間のずれ」から。新卒採用の年間振り返り
- 早くした場合に増える時間を、見積もる:連絡の回数、面談の回数、内定後フォローの期間、卒年の重なる月の数
- 増えた分を作れるかを、見る:選考期の入口を減らす、面接の回数を減らす、内定フォローを型にする
- 作れる範囲で、早くする部分を一つ決める:入口を一つだけ早くする、接点の場を一つだけ早くする
- 早くしない部分を、決めて書く:残りの入口、選考の開始、内定を出す時期
- 決めたら、その年は変えない:途中で他社を見て動かさない
早くしない部分を、決める
- 早くするのは、入口の一つだけにできる:媒体を一つ早く開け、他の入口は今までの時期のまま
- 接点の場を早くして、選考の開始は今まで通りにできる:会うのは早く、選考は今まで通り。3年生の冬に何をするか
- 内定を出す時期を、早くしない選択もある:早く出すと比べられる期間が長くなる。連絡の型が無いなら、早く出さない
- 早くしない部分を、学生に伝える:「会う場は〇〇から、選考は△△から」と先に書けば、学生は待てる
- 早くしない部分を決めない計画は、全部が早くなる:担当の時間が最初に足りなくなるのは、選考期
- 一人の担当なら、早くする部分はゼロでもよい:人事一人の新卒採用スケジュール
早期の接点を、切らさない設計
- 早期に会った学生の一覧を、作る:名前と学校だけでなく、話した内容の一行。3年生の夏に何をするか
- 連絡の時期を、先に決める:秋に一度、冬に一度、選考期の最初に一度。決めていないと空く
- 選考期の最初に、早期の学生から連絡する:新規の応募より先に
- 連絡が続かないなら、早期の接点を増やさない:増やすほど切れる数が増える
- 早期の場に出た現場の人が、後の面談にも出る:続きとして受け取られる
- 卒年を、台帳と担当と文面で分ける:2卒年を同時に動かすときの整理
早期の数の、読み方
- 早期の数は、「知ってもらった数」:選考の数と足さない
- 見るのは、次の接点に来た数:早期に会った学生のうち、秋か冬の場に来た数
- 選考期に、早期の学生から何人が選考に乗ったかを見る:早期の接点の成果は、ここで出る
- 早期の数が多くても、次の接点に来ていないなら、早期を増やさない:連絡が続いていない
- 早くした年と、早くしなかった年の、入社までに残った数を比べる:一年の総量で見る。母集団形成のKPI
一枚の型
- 上に、早くする部分(一つ)と、早くしない部分(一覧)
- 縦に月、横に「早期の接点」「連絡の時期」「上の卒年の期間」「担当の時間(いま・早くした場合)」
- 増える時間の見積もりを、欄外に:連絡の回数、面談の回数、内定後フォローの期間
- 早期に会った学生の一覧の置き場と、連絡の担当
- 早くしない部分を、学生に伝える文言
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 早くするかを、他社ではなく自社の時間で決める | 経営と人事責任者 |
| 早くした場合に増える時間を見積もる | 人事責任者 |
| 増えた分の時間を作る(入口を減らす、面接を減らす、型にする) | 人事責任者と現場の責任者 |
| 早くする部分を一つ、早くしない部分を決めて書く | 経営と人事責任者 |
| 早期に会った学生の一覧と連絡の時期を持つ | 人事 |
| 早期の場に出た現場が、後の面談にも出る | 現場 |
| 早期の数を「知ってもらった数」として分けて見る | 人事 |
運用代行や代理店が支えられるのは、増える時間の見積もりの型、早くする部分の決め方の型、一覧と連絡の型、文面の下書き、検索の絞り込み、送信、一次返信、数の見方の型までで、早くするかの決定、時間を作る判断、早くしない部分の決定、現場の時間の確保、面談と面接は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは数字の読み方の話です。早期化の振り返りで、「今年は早く始めたので、早期に会った数が去年の何倍になった」と言われることがあります。当社がお願いしているのは、早期の数を成果と見ず、「次の接点に来た数」と「選考に乗った数」と「入社までに残った数」で見ることです。早く始めて早期の数が増えても、連絡が続かずに次の接点に来ないなら、その数は会社の中の数で、学生の中には残っていません。早くした年と早くしなかった年を比べるときも、早期の数ではなく、入社までに残った数で比べてください。早期の数が増えて入社までに残った数が変わらないなら、増えたのは作業の量です。早期化は、数を増やす施策ではなく、接点を長く持つ設計です。持てる時間で、持てる数だけ早くしてください。
まとめ
- 早期化は「早く始める」で対応するものではなく、「早く始めた分だけ長くなる期間を持てるか」で判断するもの。早くすると、連絡・面談・内定後フォローの時間と、卒年の重なる期間と、学生が他社と比べる期間が増える
- 増えた時間を作れないなら、早くしない。作るなら、選考期の入口を減らす、面接の回数を減らす、内定フォローを型にする
- 早くする部分を一つだけ決め、早くしない部分を決めて書く。入口を一つだけ早くする、会う場を早くして選考は今まで通り、という決め方もできる。決めたらその年は変えない
- 早期に会った学生の一覧(話した内容の一行)を作り、連絡の時期を先に決める。選考期の最初に、新規の応募より先に早期の学生へ連絡する
- 早期の数は「知ってもらった数」で、選考の数と足さない。見るのは次の接点に来た数、選考に乗った数、入社までに残った数
よくある質問
他社が早く動いていて、焦ります
他社の時期ではなく、自社が持てる時間で決めてください。早く始めて途中で接点が切れるより、今までの時期で切らさずに持つほうが、入社までに残る数は多くなります。焦りを減らしたいなら、早くする部分を一つだけ決めて、そこだけ早くしてください。全部を早くしようとするから、焦りが消えません。
早く始めたら、翌年も早くしないといけませんか
一度早くした接点を翌年に遅らせると、前年に会った学生の後輩に「今年は遅い」と伝わります。始める前に、翌年も続けられるかを見てください。続けられないなら、その年だけ早くしない。続けられる範囲(入口を一つだけ)で始めれば、翌年も同じ形で続けられます。
早期化への対応は、御社に相談できますか
できます。当社は、増える時間の見積もりの型、早くする部分の決め方の型、一覧と連絡の型、文面の下書き、検索の絞り込み、送信、一次返信、数の見方の型を支えられます。早くするかの決定、時間を作る判断、早くしない部分の決定、現場の時間の確保、面談と面接は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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