スカウトで「なぜあなたに」を書く方法|行動と仕事の場面をつなぐ
スカウトの文面で、「なぜあなたに送ったか」をどう書くか。「あなたのご経験は当社にぴったりです」「優秀な方にご連絡しています」と書いて、返信が来ない。相手には、「誰にでも書ける理由」として読まれています。結論から言うと、「なぜあなたに」は、褒め言葉でも「ぴったり」でもなく、「相手が書いた行動」と「自社の仕事の場面」の重なりを、一文でつなぐことです。「〇〇を続けたと書かれていて、うちの△△の仕事は、続けることの連続なので、近いと思いました」。言い切らず、「近いと思った」で判断は相手に残します。重なりが見つからない相手には送りません。「なぜあなたに」がきちんと書かれていれば、それが相手にとっての「なぜうちに」の答えになります。三つの媒体で、この考え方は同じです。 この記事では、伝わらない「なぜあなたに」、伝わる形、重なりの見つけ方、見つからない相手、「なぜうちに」との関係、書く位置、媒体ごとの違い、分担を整理します。文面の骨組みはスカウト文面の基本構成、書き出しはスカウトの書き出しで読まれるかが決まるで書きました。この記事は、書き出しの「こう思った」と本文の「重なり」に絞ります。
この作業の目的|「誰にでも送れる理由」を、「この人にしか送れない理由」にする
相手は、「なぜあなたに」の一文で、「この会社は自分を選んで送ったのか、条件で送ったのか」を判断します。「ぴったり」「優秀」「ご活躍」は、誰にでも書ける言葉で、条件で送ったと読まれます。
目的は、「なぜあなたに」を、その相手にしか書けない一文にすることです。それは、相手が書いたことを読まなければ書けません。
伝わらない「なぜあなたに」
| 書き方 | 相手が受け取ること |
|---|---|
| 「あなたのご経験は当社にぴったりです」 | 何がどうぴったりかがない。誰にでも書ける |
| 「まさに当社が求める方です」 | 言い切り。判断を奪われた感じ |
| 「優秀な方にご連絡しています」「厳選した方に」 | 持ち上げ。慣れている相手には読まれない |
| 「〇〇のご経験をお持ちの方を探しておりました」 | 検索条件の言い換え。読んでいない |
| 「〇〇に興味をお持ちと拝見し」 | 全通に同じ理由。読んだ一文が型になっている |
| 「素晴らしいご経歴ですね」 | 褒め言葉。読んでいなくても書ける |
共通するのは、「相手が書いた行動」と「自社の仕事の場面」の両方が入っていないことです。片方しかない理由は、誰にでも送れます。
伝わる形|「相手の行動」+「自社の仕事の場面」+「近いと思った」
- 相手が書いた行動を、一つ:「〇〇のサークルで、△△を自分で始めて三年続けたと書かれていて」
- 自社の仕事の場面を、一つ:「うちの□□の仕事は、自分で始めて続けることの連続で」
- 二つをつなぐ一文:「近いと思いました」「重なるところがあると感じました」
- この三つで、一文から二文:長くしない
- 「近いと思った」で止める:「ぴったり」「まさに」と言い切らない。判断は相手に
「相手の行動」がなければ「読んでいない」、「仕事の場面」がなければ「何の仕事か分からない」、「近いと思った」がなければ「だから何か」が伝わりません。三つが揃って、「この人にしか送れない理由」になります。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「『なぜあなたに』は、相手を褒めて、当社に合うと伝えることだ」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、三つの媒体の文面を見ていますが、「ぴったりです」「まさに求める方です」と書いた文面は、褒められた相手からの返信が来ていません。相手にとって、「ぴったり」は会社の側の判断で、自分が判断する余地がなく、しかも何がどうぴったりかが書かれていないので、「誰にでも言っている」と読まれます。逆に、「〇〇を続けたと書かれていて、うちの△△は続けることの連続なので、近いと思いました」と書いた文面は、相手が「確かに近いかもしれない」と自分で判断して、返信しています。当社が「なぜあなたに」の相談を受けるとき、最初にやるのは、「ぴったり」「まさに」「優秀」を全部抜いて、相手の行動と仕事の場面の二つを並べることです。
重なりの、見つけ方
| 重ね方 | 相手の行動 | 自社の仕事の場面 |
|---|---|---|
| 行動の種類で重ねる | 「自分で始めて続けた」 | 「自分で始めて続けることの連続の仕事」 |
| 「なぜ」で重ねる | 「〇〇で困っている人のために△△をした」 | 「うちも、□□で困っている人を見て始めた」 |
| 経験の中身で重ねる | 「条件を変えて比べる実験をした」 | 「うちの✕✕も、条件を変えて比べる仕事」 |
| 人との関わり方で重ねる | 「人を巻き込んで〇〇を実現した」 | 「うちの△△は、社内の人を巻き込む仕事」 |
重ねるのは、職種名や専門ではなく、「行動の種類」「なぜ」「経験の中身」「人との関わり方」です。専門が違っても、行動の種類が重なれば、「なぜあなたに」は書けます。相手の読み方は媒体ごとにOfferBoxのプロフィールの読み方、Wantedlyのスカウトで共感を伝える書き方、ワンキャリアのスカウトのプロフィールの読み方で書きました。
重なりが見つからない相手には、送らない
- 相手の行動が拾えない:プロフィールが薄い。後回しにする
- 行動は拾えるが、自社の仕事の場面と重ならない:送らない。無理につなぐと、「こじつけ」と読まれる
- 重ならないのに送るなら、「重なりは分からないが、〇〇の点でお話を聞いてみたいと思った」と正直に:無理に「なぜあなたに」を作らない
- 重なりが見つからない相手が多いなら、「こんな人」か送る相手の絞り方を見直す:OfferBoxのターゲット設計
「なぜあなたに」が書けない相手に送った文面は、「誰にでも送れる理由」になり、返信が来ない文面が増えます。
「なぜあなたに」が、「なぜうちに」の答えになる
- 相手は、「なぜこの会社に返信するか」を考える:その答えは、文面の「なぜあなたに」にある
- 「なぜあなたに」が具体なら、相手は「この会社は自分のことを分かっている」と感じ、それが「なぜうちに」になる
- 面談で「なぜうちに」を聞かないことと、つながっている:スカウトで誘った相手に「志望動機」を聞くのではなく、「なぜあなたに」を会社が先に言っている。OfferBox経由の学生を面接する現場社員への説明
- 「なぜあなたに」が薄いと、相手は「なぜうちに」を自分で作らなければならず、作れずに返信しない
「なぜあなたに」は、会社の側から先に渡す「なぜうちに」です。
書く位置
- 書き出しの二文目:「〇〇を続けたと書かれていて(読んだ一文)」のあとに「うちの△△と近いと思いました(こう思った)」。ここが「なぜあなたに」の最初の形
- 本文の「重なり」:仕事の場面を書いたあとに、もう一度、行動と場面をつなぐ一文。書き出しの「こう思った」を、仕事の場面を見せたうえで具体にする
- 二か所で、同じ重なりを角度を変えて:書き出しでは短く、本文では仕事の場面と一緒に
- 締めには書かない:締めは「話す場」への誘い
書き出しと本文の関係はスカウト文面の基本構成、相手ごとに変える二か所はスカウトを一通ずつ変える範囲の決め方で書きました。「なぜあなたに」は、相手ごとに変える二か所そのものです。
媒体ごとに、変わる点
| 媒体 | 「なぜあなたに」の材料 |
|---|---|
| OfferBox | 学生の自由記述の行動。「学生時代に自分で始めた・続けた」と「入社した年の仕事」を重ねる |
| Wantedly | 相手のストーリーの「なぜ」。相手の「なぜ」と自社の「なぜ」の場面を重ねる。想いを語らず、場面で |
| ワンキャリア | 学生の行動と、学生が読んだ体験談への反応。「体験談の〇〇に反応されていて、うちの△△は」と重ねる |
材料は違いますが、「相手の行動+自社の場面+近いと思った」の形は同じです。
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 「ぴったり」「まさに」「優秀」を文面から抜く | 人事 |
| 相手の行動を一つ拾う | 送る人 |
| 自社の仕事の場面を、重ねやすい形で用意する | 現場の人が話し、人事が書く |
| 行動と場面をつなぐ一文を書く | 送る人 |
| 重ならない相手に送らない判断 | 送る人 |
| 「こんな人」と送る相手の絞り方を見直す | 人事と責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、伝わらない書き方の点検、三つの要素の型、重ね方の見本、仕事の場面の整理までで、相手の行動を拾うこと、つなぐ一文を書くこと、送らない判断は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これはどこまでやるかの線引きの話です。当社がスカウトの「なぜあなたに」の相談を受けるとき、当社が持てるのは、自社の仕事の場面を「重ねやすい形」に整えることと、重ね方の見本までです。相手の行動を拾って、場面とつなぐ一文は、相手を読んだ人でなければ書けません。当社が線を引くのは、「『なぜあなたに』の型を作って、全通に入れたい」という依頼です。型にした「なぜあなたに」は、全通に同じ理由が入り、「誰にでも送れる理由」に戻ります。当社が整えるのは仕事の場面の側で、相手の側を読んでつなぐのは、自社の送る人です。
まとめ
- 「なぜあなたに」は、褒め言葉でも「ぴったり」でもなく、「相手が書いた行動」+「自社の仕事の場面」+「近いと思った」の一文。言い切らず、判断は相手に
- 「ぴったり」「まさに」「優秀な方に」「〇〇のご経験をお持ちの方を探して」「〇〇に興味をお持ちと拝見し」は、誰にでも書ける理由。全部抜く
- 重ねるのは職種名や専門ではなく、行動の種類・「なぜ」・経験の中身・人との関わり方。専門が違っても行動の種類で重ねられる
- 重なりが見つからない相手には送らない。無理につなぐと「こじつけ」と読まれる。見つからない相手が多いなら「こんな人」を見直す
- 「なぜあなたに」が具体なら、それが相手の「なぜうちに」の答えになる。書き出しの二文目と本文の重なりの二か所に、角度を変えて
よくある質問
相手の行動と自社の仕事が、専門としては全然違います
専門ではなく、行動の種類で重ねます。「実験で条件を変えて比べた」と「営業で提案の切り口を変えて試す」は、専門は違いますが「条件を変えて試す」という行動の種類が重なります。「人を巻き込んで実現した」と「社内の人を巻き込む仕事」も同じです。専門が違うから重ならない、ではなく、行動の種類を探します。
「近いと思いました」だと弱くて、返信が来ない気がします
「ぴったりです」と言い切るより、「近いと思いました」のほうが、返信は来ます。言い切られると、相手は判断を奪われた感じになり、「本当にそうか」と疑います。「近いと思った」と言われると、相手は「確かに近いかもしれない」と自分で判断し、その判断が返信の理由になります。弱く見える言い方が、相手に判断を残す言い方です。
スカウトの「なぜあなたに」は、御社に相談できますか
できます。当社は、伝わらない書き方の点検、三つの要素の型、重ね方の見本、仕事の場面の整理を支えられます。相手の行動を拾うこと、つなぐ一文を書くこと、送らない判断は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
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