媒体の効果を並べて比べる方法|エントリー数ではなく4つの数で
複数の媒体を使っていて、どれが効いているかを並べて比べたい。ところが、エントリー数と承認数と参加者数を並べて「多い媒体が良い」と読み、媒体ごとに数え方が違い、「こんな人」も期間も違い、担当の時間が入っておらず、費用だけで並べて、優劣を付けて終わる。結論から言うと、比べるのは「エントリー数」ではなく、媒体ごとの「こんな人に近い人が面談まで来た数」と「入口→面談の日数」と「近い人の割合」と「担当の時間」です。同じ数え方に揃え、同じ「こんな人」で、同じ期間で並べます。数え方が違う数字を並べると、多く集まる媒体が良く見えます。比べた結果は「役割の違い」として読み、優劣で読みません。 この記事では、比べ方で起きる失敗、揃えるもの、並べる四つの数、入口の違いの揃え方、表の型、読み方、比べた後に決めること、記録がないとき、分担を整理します。媒体ごとの効果測定はOfferBoxの効果が測れないときのKPIの置き直し、Wantedlyの効果測定、ワンキャリアの効果測定、母集団のKPIは母集団形成のKPIで書きました。
この作業の目的|「どれが多いか」ではなく「どれが、どの役割で効いたか」を読む
媒体の効果を並べる目的は、優劣を付けることではなく、翌年の配分を決めることです。配分を決めるには、「どの媒体が、どの役割で、近い人をどれだけ、どれだけの時間で連れてきたか」が要ります。エントリー数の大小では、配分は決まりません。
目的は、比べる表を「多い順」ではなく「役割ごとの、近い人の面談数あたり」で作ることです。
比べ方で、起きる失敗
| 失敗 | 何が起きるか |
|---|---|
| エントリー数や承認数を、並べる | 入口の数で、質が見えない。多く集まる媒体が良く見える |
| 媒体ごとに、数え方が違う | 「承認」「返信」「エントリー」「受諾」を同じ列に並べ、比べられない |
| 「こんな人」が、媒体ごとに違う | 媒体Aは広く、媒体Bは狭く、で近い人の割合が比べられない |
| 期間が、違う | 選考期の媒体と早期の媒体を並べ、時期の差を媒体の差と読む |
| 担当の時間を、入れない | 時間がかかる媒体が「効いた」に見え、時間あたりでは悪い |
| 費用だけで、並べる | 費用が小さい媒体が良く見え、時間と質を見ていない |
| 優劣で、読む | 「Aが良い、Bは悪い」で、Bの役割(Aで会えない人)を見落とす |
共通するのは、「並べる前に揃える」をしていないことです。
揃えるもの
| 揃えるもの | どう揃えるか |
|---|---|
| 数え方 | 入口の数(承認・返信・エントリー・受諾・参加)は列を分け、比べる列は「面談まで来た数」以降に。段の切り方は採用ファネルの作り方 |
| 「こんな人」 | 一枚を全媒体で同じに。媒体ごとに一枚を変えない。母集団形成の基本|量と質の順番 |
| 期間 | 同じ年度の同じ期間で。時期の役割が違う媒体は、時期ごとに分けて並べる |
| 段 | 入口→面談→一次→内定→承諾を全媒体で同じ段に |
| 近さの判断 | 「近い」「やや近い」「遠い」の三段を、同じ人が同じ物差しで。OfferBoxで会う学生の評価基準の作り方 |
| 担当の時間 | 媒体ごとに、週にどれだけ使ったかを同じ単位で |
揃えてから並べます。揃っていない表は、読まないほうが安全です。
エージェントベストの見解
相談で最も多い思い込みは、「媒体ごとの管理画面の数字を並べれば、効果が比べられる」というものです。当社は3媒体すべての販売パートナーとして、比較の表を見せられることが多いのですが、管理画面の数字は媒体ごとに「何を数えているか」が違い、そのまま並べると、入口の数が大きい媒体が良く見えます。逆に、台帳から「面談まで来た人のうち近い人の数」を媒体ごとに出し、担当の時間を横に置いた会社は、入口の数が少ない媒体のほうが時間あたりで良い、と分かって配分を変えています。当社は3媒体を扱うので、どの媒体が良く見える表にも利害はありませんが、揃っていない表で配分を決めた会社は、翌年に「効いていた媒体を減らしていた」ことに気づいています。当社が比較の相談を受けるとき、最初にやるのは、管理画面の数字の表を閉じて、台帳から同じ段で出し直すことです。
並べる、四つの数
| 数 | 何が分かるか | 出し方 |
|---|---|---|
| 近い人の面談数 | 媒体の「量」 | 台帳から、媒体ごとに、面談した人のうち近い人 |
| 入口→面談の日数 | 媒体の「速さ」。待たせている媒体 | 台帳の日付から |
| 近い人の割合 | 媒体の「質」。入口の絞り方が合っているか | 面談した人のうち近い人÷面談した人 |
| 担当の時間 | 媒体の「重さ」 | 週の記録から、媒体ごとに |
四つを並べ、「近い人の面談数あたりの時間」と「近い人の面談数あたりの費用(自社の見積もり)」を出します。四つの考え方は母集団形成のKPIの「母集団形成のKPIは、三つ」に「担当の時間」を足したものです。
媒体ごとの入口の違いを、揃える
- OfferBox:送信→承認→面談。「承認」は入口の数で、比べる列に入れない。OfferBoxの効果が測れないときのKPIの置き直し
- Wantedly:スカウト→返信、または募集記事→「話を聞きに行きたい」→面談。「返信」「話を聞きに行きたい」は入口の数。Wantedlyの効果測定
- ワンキャリア:スカウト→受諾→面談、または企業ページ→エントリー→面談、イベント→参加→面談。「受諾」「エントリー」「参加」は入口の数。ワンキャリアの効果測定
- リファラル・大学・イベント:紹介→面談、参加→次の場→面談
- 比べる列は「面談まで来た数」から:入口の数は、媒体ごとの列で持ち、比べない
- 入口の率(承認率・返信率・エントリー率)は、その媒体の運用を直す数:媒体をまたいで比べない
表の型
- 行に、媒体(入口):スカウト、掲載、イベント、リファラル、大学、早期、と役割で分けて
- 列に、四つの数と、近い人の面談数あたりの時間と費用
- 入口の数は、欄外か別の表に:比べる表に入れない
- 役割を、行の横に書く:「届ける」「読む場所」「確かめる場」「紹介」
- 期間を、表の上に:同じ期間であることを明記
- 先月・前年と、並べられる形に:採用ファネルの作り方の「目標値ではなく、変化で見る」
読み方|役割の違いとして
- 「Aは近い人の面談数が多く、Bは少ない」→「Bは効かない」ではなく、「Bは何の役割か」:Bでしか会えない人がいたか
- 「Cは時間あたりで悪い」→「Cはやめる」ではなく、「Cの時間の使い方を変えられるか」:型と集計を外に出せば時間が減る
- 「Dは近い人の割合が低い」→「Dは質が低い」ではなく、「Dの入口の絞り方(送る相手・書く材料)を直せるか」
- 「Eは日数が長い」→「Eは遅い媒体」ではなく、「Eの返信の対応が遅い」:媒体ではなく運用
- 優劣で読むと、役割が違う媒体をやめて、届く範囲が狭くなる
比べた結果は、「効いた・効かなかった・理由が分からない」の三分類に落とします。母集団形成の振り返り方の「入口を、三つに分ける」で書きました。
比べた後に、決めること
- 翌年の配分:近い人の面談数あたりの時間と費用で、効いた媒体に寄せる。母集団形成の予算配分
- 役割が重なっている媒体:減らす候補。媒体を何本併用するか
- 時間の使い方を変える媒体:型と集計を外に出す、現場に分担
- 入口の絞り方を直す媒体:送る相手、書く材料
- やめる媒体:四つの軸で。媒体をやめる判断基準
- 比べた表を、上司への説明に:優劣ではなく役割と配分で。経営層にOfferBoxの成果を説明する方法
記録がないときの、比べ方
- 今年は、比べない:揃っていない数字で比べると、誤った配分になる
- 今年の残りで、台帳を媒体ごとに分けて付け始める:入口・段・日付・近さ
- 面談で「どこで知りましたか」を聞き、台帳に:入口を後から付ける
- 翌年の年度の切れ目に、揃った表で比べる
- 今年、どうしても決めるなら、「近い人が面談まで来たか」だけを、記憶の範囲で媒体ごとに:それ以外は決めない
社内の分担
| 作業 | 誰が |
|---|---|
| 数え方・こんな人・期間・段・近さの判断を揃える | 人事責任者 |
| 台帳を媒体ごとに分けて付ける | 送る人、面談に出る人 |
| 週の時間を媒体ごとに記録する | 担当それぞれ |
| 年度の切れ目に、四つの数と時間あたり・費用あたりを媒体ごとに出す | 人事 |
| 役割の違いとして読み、三分類に落とす | 人事と責任者 |
| 翌年の配分を決める | 人事責任者 |
| 上司に役割と配分で説明する | 人事責任者 |
運用代行や代理店が支えられるのは、揃え方の型、表の型、媒体ごとの入口の揃え方、読み方の整理、配分の材料までで、台帳を付けること、近さの判断、時間の記録、配分の決定、上司への説明は企業が行います。代理店の代行の範囲は代理店に運用まで頼めるかで書きました。
エージェントベストの見解
これは数字の読み方の話です。比較の相談で、「Aのほうが承認率が高いので、Aに寄せたい」と言われることがあります。当社が確かめるのは、「承認率」と「面談まで来た近い人の数」が、同じ方向を向いているかです。承認率が高くても、面談に来ない、来ても遠い、なら、Aは「承認されやすい相手に送っている」だけで、近い人を連れてきていません。逆に、承認率が低くても、面談まで来た人が近い人ばかりなら、Bは「絞って送っている」媒体で、近い人の面談数あたりでは良い。当社は3媒体を扱うので、どちらに寄せても当社の扱いですが、承認率で配分を決めた会社は、翌年に近い人の面談数が減っています。比べる数は、入口の率ではなく、面談以降の近い人の数です。
まとめ
- 比べるのはエントリー数や承認数ではなく、媒体ごとの「近い人の面談数」「入口→面談の日数」「近い人の割合」「担当の時間」の四つと、近い人の面談数あたりの時間と費用
- 並べる前に、数え方・「こんな人」・期間・段・近さの判断・時間の単位を揃える。揃っていない表は読まない
- 媒体ごとの入口の数(承認・返信・エントリー・受諾・参加)は列を分けて比べない。比べる列は「面談まで来た数」から。入口の率はその媒体の運用を直す数
- 結果は優劣ではなく「役割の違い」として読み、「効いた・効かなかった・理由が分からない」の三分類に落とし、翌年の配分・減らす候補・時間の使い方・入口の絞り方・やめる判断を決める
- 記録がないなら今年は比べず、台帳を媒体ごとに分けて付け始め、翌年に揃った表で比べる
よくある質問
管理画面の数字しかなく、台帳がありません。それでも比べたいです
管理画面の数字は「入口の数」で、媒体ごとに何を数えているかが違い、そのまま並べると誤ります。今年は、面談した人を思い出せる範囲で媒体ごとに分け、「近い人だったか」だけを付けて、「近い人が面談まで来た媒体はどれか」だけを見ます。それ以上は決めず、今年の残りから台帳を付け始めます。台帳の項目はOfferBox運用のKPI設計の手順5で書きました。
上司が「エントリー数の一覧」を求めます
一覧は出しますが、「比べる表」とは分けます。上司の表に、媒体ごとの「近い人の面談数」と「近い人の面談数あたりの費用と時間」を主に置き、エントリー数は参考として欄外に。エントリー数が多い媒体で近い人の面談数が少なければ、「遠い人が多く来て、面談の枠を使っている」と添えます。伝え方は母集団形成のKPIの「上司に見せるKPIと、直すためのKPIを分ける」で書きました。
媒体の効果の比べ方は、御社に相談できますか
できます。当社は、揃え方の型、表の型、媒体ごとの入口の揃え方、読み方の整理、配分の材料を支えられます。台帳を付けること、近さの判断、時間の記録、配分の決定、上司への説明は、企業が行ってください。当社はOfferBox・Wantedly・ワンキャリアの販売パートナーとして、3媒体の運用を支えています。どの媒体が良く見える表にも利害はありません。3媒体の全体像は3媒体の違いと選び方にまとめています。
相談無料 / 求人広告代理店エージェントベスト
どの媒体にするか、決めきれない方へ
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